元親方の靴

元親方の靴

 

 我がN造園では、仕事をするときに地下足袋に履き替える。軽くて動きやすく、特に木に登るときなどはその力を発揮する。靴の中がゴミで汚れないのも長所の1つだ。
 先日、仕事の休憩中に、脱ぎ捨てられた元親方の靴がなにげなく目にとまった。その瞬間、私は何か違和感をおぼえた。よく見てみると、そこには信じられない光景があった.
「左右のサイズがちがうやん・・・!?」
私は驚愕した。その靴は、右が26.5cmで左が27.0cmだったのである。間違えて買ったのだろうか?いや、それは考えにくい。靴は、ふつう左右セットで売っているものである。仮にバラで売っていたとしても、それなら余計にサイズを確認するだろう。私はその理由を聞きたい衝動を抑えることができず、元親方に尋ねた。
「その靴、左右のサイズが違いますよね・・・?」
それはなぜですかと尋ねようとした瞬間、元親方から意外な答えが返ってきた。
「ほんまに?」
私は、再度驚愕した。
「気付いてなかったのか・・・!?」
その靴を購入してから少なくとも半年は経っている。にもかかわらず、元親方は全く気付かずに毎日履き続けていたのである。信じられない・・・。
改めて、こうなるに至った理由を尋ねると、
「いや~わからん!そやけど、なんかおかしいと思っとったんや。ひゃっひゃっひゃっ!」
と、まるで他人事のように、元親方は楽しそうに笑っていた。
「さすがや・・・。」
結局、理由は謎のままだが、小さい事など気にしないというこの性格が、元親方の魅力の1つなのだと再確認したのである。
 こうして、N造園の和やかな日々は続いていく・・・。

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On 5月 12th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト by KO

中部地方の一本桜(2013)その2

 

 平成25年4月17日(水)、長野県南部の朝はうす曇の天気だった。「中曽根の権現桜」を見た後、北上して「善光寺」で有名な長野市を通り過ぎ、夕方、湯田中温泉で有名な長野県山ノ内町に着く頃には、天気は快晴になっていた。
 山ノ内町の宇木地区は桜の名木が多数あり、歩いて巡る桜コース(距離約4.2km、所要時間約1時間)の道がある。
 まず最初に「隆谷寺のしだれ桜」を訪れる。樹齢約400年のシダレザクラの原種ともいわれている名木である。小さなお寺の風景にサクラが良く溶け込み、なかなか、いい感じで、夜にはライトアップもされるようになっていた。

 

隆谷寺のしだれ桜

隆谷寺のしだれ桜

 

 次に「大久保のしだれ桜」を見に行く。小高い丘の上にあるこの桜は、周囲4.3m、樹高12mで、お墓の中に優雅に満開の花をつけていた。

 

大久保のしだれ桜JPG

大久保のしだれ桜JPG

 

 2番目に「千歳桜」を訪れる。この桜は「宇木の千歳桜」と呼ばれ親しまれている樹齢約850年のエドヒガンの古木で、長野県の天然記念物に指定されている。
 幹周りは約6mで、今も樹勢は旺盛である。

 

宇木の千歳桜

宇木の千歳桜

 

 次に「大日庵の源平しだれ桜」を見に行く。昔、ここに大日庵という尼寺があり、紅白の桜があったので源平しだれ桜と呼ばれている。残念ながら紅花(平家)の桜は枯死し、現在は白花(源氏)の桜しか残っていない。その桜も先端部が傷み、樹勢の衰えが心配される。

 

大日庵の源平しだれ桜

大日庵の源平しだれ桜

 

 最後に「区民会館前のシダレザクラ」を見に行く。宇木区民会館の道向かいの墓地のなかに静かにたたずむ、樹齢約300年のこの桜は、優艶な姿で微笑みかけているようで思わず見入ってしまう。優雅な桜でした。

 

区民会館前のしだれ桜

区民会館前のしだれ桜

 

 この宇木地区は、標高500m前後のゆるやかな丘の上にあり、リンゴなどの果樹畑になっている。ちょうどリンゴの木がバッサリと剪定されているのが目に付いた。これで、また勢いのある枝が出てくるのでしょうね。のどかないい風景が続いていました。

 

リンゴ畑の剪定

リンゴ畑の剪定

 

                       真田 俊秀

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On 5月 5th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

-路傍の寛容のハナ-

 

 私が毎日通う道。毎年、この時期になると一面に花を付け、道行く車や人にあー春が来てもたか・・。と感動感心を与える。
 どなたが面倒を見られているのか、陸橋を使い上手く花を付けるように育てたなあー。
開花はいつもゴールデンウイーク前、でも平成25年は少し早く隣のツバキと同じピンク花で競っている。

 

今里筋の名物“フジの陸橋

今里筋の名物“フジの陸橋

 


 

 

 

 

 

 

ナンキンハゼの並木

 この道『今里筋』は、この地の少し南の大池橋から先は大阪国際女子マラソンのコースになっており、テレビでも良く見かける。街路樹はナンキンハゼで秋の紅葉が美しい路線として有名であったが、今はヤマモモ等に植替えが進められ少し寂しい街路に変貌しつつある。でもその一方で、沿道のおばちゃんパワーで、このフジに限らずビワやカキの他、草花類も多く植えられており、みんなで楽しんでいる。大阪市の杓子定規ではない寛容さが違った形で街路の彩りを育むのかもしれない。まあどちらにしても浪速のしたたかさの表れかと・・・。

 

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On 4月 23rd, 2013, posted in: 樹木医アラカルト by KO

中部地方の一本桜(2013)その1

 

 平成26年4月17日(水)、長野県は暖かいうす曇の天気であった。桜を求めて北上する。
 まずは飯田市の東方にある喬木村(たかぎむら)にある「氏乗のシダレザクラ」を目指す。
 山の中の狭い道を進むと小さな集落があり、すぐこのシダレザクラが目に入ってきた。この場所は、小学校の跡地で、110年前に入学記念の時、植えられた桜らしい。

 

氏乗のシダレザクラ

氏乗のシダレザクラ

 

 樹高は22m、幹周りは3.3mで多弁(半ハ重)のベニシダレザクラで、樹形の良い品のある桜でした。

 

氏乗のシダレザクラの花

氏乗のシダレザクラの花

 

 次は、約20kmほど北上し、中川村のひなびた山村にある「西丸尾のシダレザクラ」を訪ねた。
 美里西丸尾地区の山中にある一軒家の小池邸に咲く桜で、地元では「小池の桜」と呼ばれている。満開の時期を過ぎて、花色は紅色から薄い白に変わっていたが、非常に堂々とした華麗な桜である。

 

西丸尾のシダレザクラ

西丸尾のシダレザクラ

 

 樹高は16.4m、幹周りは5.0mあり、樹勢は非常に良く、立派な幹をしていた。

 

西丸尾のしだれざくらの幹

西丸尾のしだれざくらの幹

 

 「西丸尾のシダレザクラ」から約30km北上し、箕輪町にある「中曽根の権現桜」を訪ねる。「権現桜」と呼ばれるのは、樹下に祭ってある祭神が熊野権現のため、そう呼んでいるそうである。
 根元から1.5mの高さで東西に二枝に分かれ、東西の花の色が微妙に違っていた。これは、元は2本の桜だったのが癒着して一本の桜になったものとも言われている。

 

中曽根の権現桜

中曽根の権現桜

 

 樹高は18m、幹周りは10mもあり、樹齢は1,000年とも言われている古木である。
 木の幹は空洞が出来ていて、治療の跡が痛々しいが、これは明治35年の落雷による火災により焼けた跡らしい。それにしても非常に風格のある桜でした。

 

中曽根の権現桜の幹

中曽根の権現桜の幹

 

 「西丸尾のシダレザクラ」から「中曽根の権現桜」に向かう途中で、雪を被った中央アルプスの山並みが見え、昔この山を縦走した頃の思い出が走馬灯のように頭をよぎり、懐かしかった。

 

中央アルプス遠望

中央アルプス遠望

 

                      真田 俊秀

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On 4月 21st, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

早い開花

 

桜(ソメイヨシノ)並木

桜(ソメイヨシノ)並木

 

 今年(平成25年)の桜(ソメイヨシノ)の花見シーズンはあわただしいものになりました。

 ちょうど見頃の週末は3月30日、31日で、これは例年よりも一週間ほど早い時期です。事前の開花情報などで早い開花を予想できてはいましたが、実際に三月に満開になるとやはり違和感はあります。花見イベントを準備される方にとってはあわただしい週末になったことでしょう。

 その次の週末は4月6日、7日です。例年ならこの週末がちょうど見頃となるのですが、今年は開花のピークが過ぎて少し散り始めており、この週末が花見のラストチャンスでした。ところが当日は台風並みの低気圧により荒れた天候となり、ゆっくり花見のできる状況ではありませんでした。

 今年は花見できずに残念な思いをした方も多かったのではないでしょうか。

 その台風並みの低気圧が去った翌日、ソメイヨシノは散っていましたが、ツツジやサツキが咲き始めていました。こちらの開花も少し早いのかもしれません。

 

 

(うどん子)

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On 4月 16th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト by KO

NHK文化センター梅田教室「樹木医とめぐる巨樹・巨木」平成25年4月

 

 NPOおおさか緑と樹木の診断協会では、NHK文化センター梅田教室から受託し、「樹木医とめぐる巨樹・巨木」という現地講座を毎月開催しています。
 3年目となる今年度最初の講座は日本樹木医会兵庫県支部の河合樹木医、中井樹木医の協力を得て、兵庫県神戸市内の樹木をめぐりました。
 通常は第2金曜日の開催を基本としていますが、4月は日本人の愛するサクラの季節ということで、開花状況を考慮して第1金曜日の4月5日に開催しました。

 最初の目的地は王子動物園です。王子動物園には約480本のソメイヨシノがあり、その内6割が樹齢50年を超える古木です。
 今年のサクラの開花は例年より早かったため開花状況が心配でしたが、ソメイヨシノは満開、4月4日~6日の夜桜ライトアップの中日、春休み最後の平日ということもあり、園内は多くの家族連れなどで賑わっていました。
 「サクラ切るバカ」と言いますが、河合樹木医は王子動物園のソメイヨシノに関する相談を受け、リンゴの剪定技術を活用し、樹齢120年を超えるソメイヨシノを毎年見事に開花させ100万人を超える観光客を集める青森県の弘前公園の管理技術を研究するため、現地に4回赴き、当地の樹勢回復に取り組んでいます。

 

写真①

写真①

 

 写真①王子動物園の正面で、私たちを迎えてくれたのは笹部桜です。素人目にはソメイヨシノと区別がつきませんが、良く見ると花弁が14枚程度であでやかな感じがします。

 

写真②

写真②

 

 写真②主幹切り替え剪定によって、太くて古い大枝を思い切って剪定し、新しい枝を吹かせて更新していきます。

 

写真③

写真③

 

 写真③不定根誘導によって大地に根を下ろし、樹木の活力が向上しています。同時にアスファルト舗装の下にはエアーインジェクションによる土壌改良も実施しています。

 

写真④

写真④

 

 写真④樹齢60年を超えるソメイヨシノの古木を移植しています。リスクのある植え替えよりも土壌改良をしっかりして若い苗木を植えるという考えもありますが、これまで培われてきた歴史と風格を重んじて移植しています。ゴリラの飼育舎の建設に伴い移植されたサクラは、傾きも方角もそのままに平行移動されています。新旧切り替え剪定により、若々しい枝が太陽を求めて延びているのが印象的です。

 

写真⑤

写真⑤

 

 写真⑤神戸海洋気象台が植物季節観測用標本に指定しているソメイヨシノです。この木の花が6個咲いたら神戸のソメイヨシノの開花宣言です。

 

写真⑥

写真⑥

 

 写真⑥人気者のパンダはなかなかこっちに来てくれませんでした。

 

写真⑦

写真⑦

 

 写真⑦体高3.5メートルのぞうさんです。おやつの草をむしゃむしゃ、青竹を踏んでバリバリむしゃむしゃ。動物園は楽しいところです。大阪市の天王寺動物園は市外の子どもからは料金を徴収すると夢の無いことを言ってますが、神戸市では中学生までは入場無料です。

 

写真⑧

写真⑧

 

 写真⑧続いて、王子動物園から東へおよそ30分、春日神社境内にある兵庫県指定天然記念物「神前の大クス」を見に行きました。

 

写真⑨

写真⑨

 

 写真⑨昭和10年には家具材として売却されましたが、村民有志により神木保存会によって買い戻され、一部は伐採されずに保存されました。

 

写真⑩

写真⑩

 

 写真⑩平成7年の阪神淡路大震災では大枝の一部が折損落下しました。

 

写真⑪

写真⑪

 

 写真⑪市街化の進展により、クスノキの生育空間は狭まり、文字通り「困」った状態となっていますが、兵庫県の樹木医の熱心な樹勢回復措置の甲斐あって生き生き生育しており、枝葉の状態は良好です。

 

 「樹木医とめぐる巨樹・巨木」はNPOおおさかに所属する樹木医を初め、近畿の各樹木医によって大切に守られている各地の巨樹・巨木をめぐります。詳細についてはNHK文化センター梅田教室(担当:尾藤)までお問い合わせください。
 http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_591623.html

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近畿地方の一本桜(2013)

 

 平成25年4月4日(木)、近畿地方はよく晴れていた。今日は大阪近郊のシダレザクラを見るために出かけた。
 まずは三重県名張市にある渓谷で有名な「赤目四十八滝」の入り口にある「延壽院」を訪ねる。ここにあるシダレザクラは、樹齢約300年以上で名張市の文化財になっている。幹が途中で折れてなくなっており、ずんぐりとした樹形となっているが、花を一杯つけていた。

 

延壽院のシダレザクラ

延壽院のシダレザクラ

 

 次は、奈良県大宇陀市にあるサクラを訪ねた。
 先ほどの「延壽院」から車で15分ほど下った所の宇陀川沿いに「大野寺」がある。ここには2本の大きなシダレザクラがあり、ちょうど満開で見ごろであった。ここのシダレザクラも樹齢約300年以上となっている。

 

大野寺のシダレザクラ

大野寺のシダレザクラ

 

 さらに「大野寺」から南東に約3km行くと「女人高野」や「五重の塔」で有名な「室生寺」があり、その近くに「西光寺」に大きなシダレザクラがある。大きく枝を広げた樹形はとても優美である。

 

西光寺のシダレザクラ

西光寺のシダレザクラ

 

 ちょど見頃をむかえており、淡いピンクの色が、なんともなまめかしい雰囲気を醸し出していた。

 

西光寺のシダレザクラ2

西光寺のシダレザクラ2

 

 「西光寺」から南に15kmの位置の国道166号線沿いに「宝蔵寺」がある。
 この場所は、東吉野村に位置し、村の天然記念物の指定を受けていて、樹齢は430年と云われている。

 

宝蔵寺のシダレザクラ

宝蔵寺のシダレザクラ

 

 この桜の遺伝子を調べたところ、京都にある「醍醐寺」の桜と遺伝的に近いことが判明し、「宝蔵寺」から運ばれたシダレザクラの遺伝子が「醍醐寺」で花を開いた可能性があるという、何とも由緒のある桜である。
 しかしながら、幹は大きな空洞が出来ていて、上部にはキノコが発生していて、
 痛々しい状況であった。

 

宝蔵寺のシダレザクラの幹

宝蔵寺のシダレザクラの幹

 

 「宝蔵寺」から西北に15kmの大宇陀市本郷に、「又兵衛桜」がある。
 大阪夏の陣で豊臣方についていた後藤又兵衛ゆかりの桜で、その優美な樹形は、見る人を感動させずにいられない。

 

又兵衛桜

又兵衛桜

 

 石垣の端に凛として聳え立ち、後ろの桃のピンクの花色とのコントラストがなんとも綺麗で、いくら見ても飽きない風景である。

 

又兵衛桜2

又兵衛桜2

 

 以上、春を告げるシダレザクラの仲間達でした。
                       真田 俊秀

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On 4月 9th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

ヤマグルマ発見

 

 ヤマグルマは、東北の山形県以西の温帯から亜熱帯に分布する、1科1属1種の常緑の高木で、急な斜面に多く生育する。
 そしてヤマグルマは被子植物でありながら、導管がなく、代わりに裸子植物と同じ仮導管を持ちつづけている貴重な植物である。
 ところで大阪府内には、ヤマグルマは生育してないと思われていたが、1983年に泉南自然同好会の里中長治氏が和泉市の槇尾山の西南部、側川谷上流の清水(きよず)の滝付近でヤマグルマを見つけ、当時、話題になった。
 私は、5年ほど前の夏にそのヤマグルマを見つけるために、清水の滝へ行ったのだが、落葉樹も葉をつけている季節でもあり見つけることが出来なかった。
 再びリベンジを思い立ち、今度は冬に行こうと思っていたが、寒いのも苦手なので暖かくなるのを待っていたら、スギ花粉の季節になり、どうしようかと思っていたら桜の開花の季節になったので、思い切って出かけることにした。
 2013年3月22日に車で側川の集落まで行き、そこから、てくてくと車道の終点まで1時間ほど歩く。
 車道は悪路と聞いていたので徒歩で行ったのだが、終点まで立派な道が出来ていて、だまされたような気分である。
 登山道は、あちこちで倒木が道をふさいでいて、開明の滝付近では木が倒れ、道が崩落により無くなっていた。

 

開明の滝と倒木

開明の滝と倒木

 

 それでも、めげずに清水の滝を目指す。急な斜面ではロープがつるされていて、ロープをつかみながらよじ登る。落ちたら谷底に転落する、結構ハードな登山道が続く。

 

登山道とロープ

登山道とロープ

 

 やっと清水の滝に到着。途中誰にも出会わなかった。もっとも道がこんなに荒れていたら登山者はいないのが当然かもしれない。久しぶりに見る清水の滝は、夏にくらべ水量が多く、冷たくて気持ちが良い。

 

清水の滝

清水の滝

 

 さて、ヤマグルマはどこかと、双眼鏡であたりをくまなく探すが見当たらない。
 あきらめて帰りかけたが、せっかくここまで来たのだからと、また引き返し、滝の周辺を歩いていると、小さな道があった。どうも大きく迂回して滝の上に続く道みたいで、崖に沿った急峻な道をよじ登ると滝の上に出た。
 そこには祠が祭ってあり、横には大きなアカガシの木が御神木みたいにそびえていた。水路の上で、すぐ下は滝なのに、こんな大きな木がよく倒れないものだと感銘した次第である。

 

清水の滝の上の祠とアカガシ

清水の滝の上の祠とアカガシ

 

 そして、ここで何気なく滝の下の方を見ていたら、崖にヤマグルマがあるではないか。急な崖なので近づくことが出来ず、計測は無理だったが、結構大きなヤマグルマだった。

 

ヤマグルマの幹

 

ヤマグルマの葉

ヤマグルマの葉

 

 まさかこんなところにあるとは思わなかったが、苦労して登った甲斐があった。
 帰りも悪戦苦闘しながらやっと車のところまでたどりついた。
 せっかく和泉市まできたのだから、帰りに「若樫のサクラ」を見るため寄り道をした。
 「若樫のサクラ」は、満開で見ごろを迎えていた。

 

若樫のサクラ

若樫のサクラ

 

 3年前に、花つきが悪くなったので診て欲しいと所有者から大阪府に相談があり、診断した経緯もあったので、少し心配していたが、綺麗に花を一面に咲かせていた。寒い時期と温かい時期のメリハリがしっかりしていたせいか、今年の桜の開花は早い。春到来である。
                         真田 俊秀

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On 3月 24th, 2013, posted in: 緑と樹木について by KO

生きていた竜舌蘭

 

 ヒガンバナ科の常緑多年生植物のリュウゼツランは、50~60年経ると開花して、結実後は枯れるといわれています。

 我が家の近くに上水道の配水池があり、その敷地内にアオノリュウゼツランが植えられていました。 アオノリュウゼツランとは、葉の色がきれいな緑色だからです。 配水池は、1952年(昭和27年)に作られましたが、アオノリュウゼツランはいつ頃に植えられたのかは不明だそうです。

 

 

 そのアオノリュウゼツランが、2010年(平成22年)の夏に開花するという噂を聞きつけ、7月4日(日)に見に行きました。 花柄が5~6mに伸び、枝のような総状花序でした。この日は、まだ蕾でした。

 

 

 7月27日(火)に黄色の花が咲き始め、 8月4日(水)には花柄の半分ぐらいまで咲きあがりました。 8月21日(土)には天辺まで咲きました。 

 

 

 

 

 8月27日(金)には、天辺の花が赤くなり、最初に咲いた下部の花は結実したように見えました。

 

 

 

 開花・結実・枯死してから2年半が経った今年(平成25年)2月5日(土)、偶然通りかかった配水池横の、枯れた葉の側から緑色の葉が出ていました。 開花結実後は枯れると、ものの本に書かれているのに、根が生きていたなんて??です。

 

 

 配水池の敷地内には入れませんので、残念ながら根を観察することはできませんが、写真は撮り続けようと思います。

 澤田 清

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On 3月 4th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト by KO

名木と銘菓

 

 枚方市光善寺にある大阪府天然記念物の「光善寺のサイカチ」は、今、樹勢回復処置が実施されている。サイカチはマメ科の樹木で、特徴として大きいものでは長さ30cmのねじれた豆果をつけ、昔はこれを石けんの代用にした。

 

サイカチの豆果

サイカチの豆果

 

 ところで、京阪電車光善寺駅を出て西北に100m行ったところに「遠州屋」という和菓子屋がある。ここで「郷土銘菓さいかち」(420円/個)というお菓子を販売している。包装紙には「光善寺のサイカチ」の絵が描かれていて、中をあけると大きな焼饅頭が出てくる。饅頭の表面にはサイカチの豆果の模様があり、中は、白餡に包まれて粒あんがまるで豆みたいに散らばっている。食べてみると優しい風味がしてどこか懐かしい味のする饅頭である。まさに名木「光善寺のサイカチ」にぴったりの銘菓である。

 

郷土銘菓さいかち

郷土銘菓さいかち

 

 そして同じ京阪電車の萱島駅から西に100m行ったところに「まむ多」という和菓子屋がある。ここの住所は門真市になるそうで、ここでは「楠どら」(130円/個)というお菓子があり、萱島駅にある「萱島のくす」をイメージしたものかと思っていたら、「萱島のくす」は寝屋川市にあり、「楠どら」は昔から門真市にたくさんある楠をイメージして作られた和菓子だそうである。

 

楠どら

楠どら

 

 門真市にある名木といえば、国の天然記念物に指定されている「薫蓋樟」がある。その「薫蓋樟」をイメージした和菓子が「まむ多」にある。一個1,300円で名前もずばり薫蓋樟と言い、包装箱に「薫蓋樟」の絵が描かれていて、中には解説書まである。

 

薫蓋樟の箱と中身

薫蓋樟の箱と中身

 

 中のお菓子はというと、緑色の蒸しカステラで栗と粒あんをはさんでいて、カステラは葉を、栗と粒あんは幹を連想させる。食べてみるとヨモギの香がし、昔なつかしい味のするお菓子である。まさに名木に銘菓ありである。

 

カットした薫蓋樟

カットした薫蓋樟

 

 私は、辛党であるが、こういった名木にちなんだ銘菓をおいしいお茶と一緒に味わうのもいいもんだと思った次第である。

 真田 俊秀

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On 2月 25th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト by KO