◆◆ネバネバ・カチカチの台湾土壌(その1)

 平成25年9月にNPOおおさかで日台合同樹木研修会と称して台湾ツアーを実施しました。その際に台湾で見かけた樹木について、真田俊秀さんより4回に渡り「台湾の樹木」と題して詳しく報告頂いています。それならばと、私からは台湾の土壌特性について5回にわけて報告させて頂きます。綺麗な樹木写真と異なり土壌の場合は美しい写真で飾れません。少々野暮ったい報告になりますがお許し下さい。
 それでは第一回目として、台湾の首都である台北市の土壌の特性について述べます。

■もともと湿地帯だった台北の基盤
 台北市は周囲を山に囲まれた盆地です。現在の台北周辺は元々おおきな湖(台北湖)であったとされています。約3000年前から1800年前の間に、その湖はじょじょに水位を下げ現在の盆地が形成されたようです。湖は干上がったもののそこは広大な湿地帯です。台北101を始め超高層ビルが乱立する辺りは、つい数十年前まで湿地帯だったようです。これらは、台北市政府庁舎内にもうけられた台北探索館に詳しく展示紹介されていますので機会があれば覗いてみてください。
 このように湖から湿地帯になり、それが都市開発されたのが現在の台北市です。そのため、台北の土壌は湖底由来、湿地由来の土壌特性を示します。湖底など水中由来の土壌は長らく直接空気に触れる機会が無く還元状態にあります。土壌が還元状態におかれると土色は灰色や青みを帯びた土になります。台北市内で見かける土壌が灰色なのも湖底由来であったことを伺わせます。

■台北のネバネバ土壌
 湖底由来の土壌は粘土やシルトと言ったキメの細かい土粒子によって構成されます。西日本で一般に見られる花崗岩が風化して出来たマサ土のように砂礫状の土壌ではありません。関東平野に見られる黒ボクのような火山灰起源のふかふかとした土壌でもありません。水中由来の粘土やシルトは水を多く含み、雨が降ると泥状になります。台北市内の道路工事現場をみるとコンクリートが打設されている場所を多く見かけます。日本の場合は砕石を敷き込み、その上をアスファルトで仕上げ舗装すればよいわけですが、台北では水分を多く含んだ土が泥濘化し、舗装部に不陸が発生する恐れがあるから表面を鉄筋コンクリートで覆っています。
 このように細かい土粒子で構成され、水を含みやすい性質の土壌は、排水性が悪く、加湿状態に陥り、植物が根腐れを引き起こす原因になります。そのため、台北市内の植栽においては、排水対策と土壌の通気対策が重要な改良ポイントとなります。

 

コンクリートで舗装される道路工事現場。台北では土の泥濘化による不陸防止のため道路にコンクリートが打設される場合が多い。

コンクリートで舗装される道路工事現場。台北では土の泥濘化による不陸防止のため道路にコンクリートが打設される場合が多い。

 

歩道の植栽枡。 枯れた樹木を撤去した状況。歩道下もコンクリー トが打設されている。土壌は礫・ガラ交じり の固いシルト質土壌で滞水している。

歩道の植栽枡。 枯れた樹木を撤去した状況。歩道下もコンクリー トが打設されている。土壌は礫・ガラ交じり の固いシルト質土壌で滞水している。

 

■台北のカチカチ土壌
 水を含むと泥濘化する土壌ですが、強い転圧を受け乾燥すると、次はカチカチの植物の根が入ることの出来ない土壌になります。土壌の中に砂利や礫状の建築廃材などが混入されると、水・セメント・骨材(砂利)・砂で構成されるコンクリートと同じような構造になって、よりカチカチに固まってしまいます。
 昔は全ての工事は人力で行われました。しかし、現在は大型重機が現場内を走り回っています。建設現場においては大型重機によって極度に占め固められカチカチの土壌になってしまうわけです。そこに従来通りの方法で植え穴を掘り植栽してもうまく行くはずはありません。固い基盤に植栽用植え穴を掘り取ると、水は植栽枡に集中し、しかも基盤が固く透水性が悪いものですから水が溜まってしまいます。そして樹木は根腐れで枯死してしまいます。土壌固結は根の伸張を阻害するだけでなく、滞水による大きな影響をもたらします。
 日本でも1960年代頃の造成現場で同じような問題が生じました。造成のあり方が変化したならば、植栽手法も状況に合わせて変わらなければなりません。これからの台北における植栽基盤整備では、排水対策を講じ、土壌を軟らかくし、透水性を改善する対策は欠かせないと言えるでしょう。

 

ドリルを用いないと掘り取れない土壌 台北市内公園。試坑断面調査用の穴を掘り取ろうとしたが、礫やガラ交じりの土壌はカチカチでスコップだけでは掘り取れない。そこでドリルで土壌を砕きながらの作業となる。

ドリルを用いないと掘り取れない土壌 台北市内公園。試坑断面調査用の穴を掘り取ろうとしたが、礫やガラ交じりの土壌はカチカチでスコップだけでは掘り取れない。そこでドリルで土壌を砕きながらの作業となる。

 

台北市内の公園で見かけた台風による倒木。何本もの樹木が倒木している。小さな壷穴状の植栽枡を掘って植えられている。 排水性が悪く周辺土壌が固結化しているため水が植栽枡に集中している。

台北市内の公園で見かけた台風による倒木。何本もの樹木が倒木している。小さな壷穴状の植栽枡を掘って植えられている。 排水性が悪く周辺土壌が固結化しているため水が植栽枡に集中している。

 

次回は台湾の土壌調査を通じてわかった植栽基盤の問題点をお伝えします。

笠松滋久

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On 12月 15th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

木之本町の巨樹・巨木をめぐる

NPOおおさか緑と樹木の診断協会では、NHK文化センター梅田教室から受託し、「樹木医とめぐる巨樹・巨木」という現地講座を毎月(原則第2金曜日)開催しています。

 平成25年10月の開催は、滋賀県長浜市木之本の山裾に点在する巨樹・巨木(野神)を訪ねました。
 案内は滋賀県樹木医会にお願いし、地元木之本町在住の高橋樹木医、二宮樹木医に加え、北村樹木医、鹿田樹木医の4名が道中楽しいお話を聞かせてくれました。
 受講者は9名、総勢15名での開催となりました。

 

 

 

 JR北陸本線木之本駅に集合、コスモスが風にそよぐ中を歩き始めます。

 

 

 

 

 

 最初は、一宮のシラカシです。大きく二つに割れた幹とコフキタケが痛々しいですが、威風堂々とした姿は健在です。

 

 

 

 

 

 次に見たのは黒田のアカガシ(幹周6.9m)。わかりにくい場所にありますが、地元の樹木医の案内で確実にたどり着きました。

 

 

 ここで、記念写真

 

 

ヤマカガシです。毒もあるので要注意。

 

 

 

 

 

 

 木之本伊香高校前にある野上の森です。ケヤキ(幹周約8m)を初めとする巨木が迎えてくれました。

 

 

 

 

 田部の野上エノキ(幹周約7m)です。全体に葉が小さく、スス病がでており、元気がありません。根の切断や盛り土されたと思われます。

 

 

 

 轡の森のイヌザクラ(幹周約5m)です。説明聞きそびれました。

 

 

 今回のお土産は木之本名物「丁稚羊羹」と「サラダパン」。なぜかハマる味です

 今回出会った主な植物は、アケビ、キリンソウ、カナムグラ、オオナモミ、ツルヨシ、ホオノキ、キササゲなどでした。

 「樹木医とめぐる巨樹・巨木」はNPOおおさかに所属する樹木医を初め、近畿の各樹木医によって大切に守られている各地の巨樹・巨木をめぐります。詳細についてはNHK文化センター梅田教室(担当:尾藤)までお問い合わせください。
 

宮本 博行

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ある樹木の枯死

 JR茨木駅西側にある春日丘高校の前の通りはユリノキの並木道になっている。
 なかなか立派なユリノキの並木であるが、まだ一度も花が咲いているのを見たことがない。これは、毎年、夏が過ぎるとバッサリと強選定をするせいだと私は思っている。

 ところで、このユリノキの並木に混じって1本だけ別の木が植えられている。
 知る人ぞ知るジャカランダという木である。ジャカランダは中南米原産のノウゼンカズラ科に属する樹木で、見かけはアカシアやネムノキに似ている。羽状複葉の歯は涼しげで、初夏には薄い青紫色の花を咲かせる。ユリノキが花を付けない代りに、このジャカランダは毎年、花をつけ、通行人の目を楽しませてくれていた。

 

初夏のジャカランダ

初夏のジャカランダ

 

ジャカランダの花

ジャカランダの花

 

 晩秋に茶色に紅葉した葉は、冬から春にかけてなかなか葉を落とさず、まるで枯れ木のようで、独特の風景を醸し出していた。

 

3月のジャカランダ

3月のジャカランダ

 

 今年の6月に何気なくジャカランダを見ると、バッサリと枝が切られ、葉はわずかに少しだけ残されていただけだった。無理に剪定したらしく、残された幹も大きく樹皮がはがされていた。
 この切り方ではジャカランダは、枯れてしまうのではないかと私は危惧していたが、やはり夏を過ぎても新しい枝は出ず、残っていてわずかの枝も枯れてしまった。

 

剪定後のジャカランダ

剪定後のジャカランダ

 

わずかに残された葉

わずかに残された葉

 

 そして、秋には伐採されてしまい、今はその面影さえなくなってしまった。

 

伐採されたジャカランダの跡

伐採されたジャカランダの跡

 

 今まで、初夏の花を見るのを楽しみにしていたが、これで楽しみもなくなった。まったくあっけないものである。それにしても・・・・・・・・

                         真田 俊秀

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On 12月 5th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

龍もなぎ倒し、王命さえ奪う台風

 今年ほど台風が数多く発生し、甚大な被害をもたらしたことは前例にないだろう。伊豆大島の山を崩壊させた10月16日の台風26号、11月8日、フィリッピンでの風速90米を越える強風で数千人の尊い命と甚大な爪痕を残した台風30号。地球温暖化による気候環境変化による影響は確実に大きくなっている。

 さて、昨年 お隣韓国で台風の強風により樹齢600年の老樹が倒されたことを知る人は少ないだろう。
 韓国 忠清北道 槐山(クェサン)郡三松里にあったアカマツ 天然記念物第290号 (高さ13.5m、胸高周囲4.91m、樹冠幅東西方向14.92m、南北方向19.9m)は、その威風から王松と呼ばれ、また幹が捻じれる様がまさに龍が空に舞い上がる姿に見え「龍松」とも呼ばれ地域の人に尊ばれ親しまれていた。

 

 

 この王松が昨年8月28日、台風15号の韓国本土直撃により、韓国の中央山間部に位置する槐山地域にも強風を伴って通過した。平素は台風の影響も予想もしない地域が強い風に吹かれ、この龍松も強風に弄ばれ根元から折れ倒れた。倒れた消息を聞いた韓国文化財庁と槐山郡は樹木医など専門家により救命措置を施したが1年間の薬石の功なく、この11月6日枯死したと発表した。

 

 

 倒れた要因は根株の腐朽が酷く、巨体を支持する根も少なかったところに地上部が強風で弄ばれたためと考えられる。倒木後の10月末に李承齋ソウル樹木病院院長に案内され「お見舞い」に行くが既に瀕死の状態であった。

 

(2012年10月26日、倒木した王松は根株を覆土、幹は緑化テープで養生されていた)

(2012年10月26日、倒木した王松は根株を覆土、幹は緑化テープで養生されていた)

 

 台風の襲来がなければ、1000年と言わずともあと100年くらいは優雅な龍の舞を楽しめたのではないかと、合掌し槐山 三松里を後にした。災害を回避するため私たちは何を成すべきかを考えさせられた、この1年だった。
日韓樹木文化・老巨樹研究協会 浅川

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On 11月 24th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

『病原の世界』

 植物の葉を見ておりますと病気の兆候を示す『病斑』がたくさんあります。

 

病斑1

病斑1

 

病斑2

病斑2

 

 樹木の治療にあたる際、被害をもたらしている病原がいったい何であるかとういうのは実に重要ですので、この病原を追及するために顕微鏡診です。

 

顕微鏡

顕微鏡

 

 プレパラートを覗きこみますと

 

病斑の状況

病斑の状況

 

と、このように、葉っぱの組織と複数の病原らしき何か?が入り乱れて見えます。これで主原因が明らかなら上々なのですが、なかなかそうはいかないものです。

そこで、病原の存在する組織を切り取り、寒天培地で培養します。

 

培地

培地

 

 この際、コンタミを起こさないよう、シャーレを茹で上げ、培地の溶液を殺菌し、シャーレに移してさらに殺菌を行いと、行程の開始から終了まで、殺菌につぐ殺菌の連続で、70%のアルコール水溶液は友達のような存在です。

 殺菌が完了しましたら、病原を持つ組織をシャーレに移して、数日培養します。
培養が終わると・・・・

 

培養後

培養後

 

このように、切り取った葉の周囲に白色の変化が出ました。この白色の変化は、実はあまり歓迎できない変化でして、サンプルの取り方が悪い場合、このような変化になることが多く、ちょっとドキリとします・・・。
う~むむ・・・とうなりつつ、これを顕微鏡にかけますと

 

400倍

400倍

 

 400倍の世界にて微生物の大行進が確認できました。今回は動きがあまりに激しかったので暗視野で確認しますと

 

暗視野

暗視野

 

 やや黄色いのがバクテリアです。今回は非常に大きなバクテリアが確認できましたが、これはサンプル採集後に取りついた腐生性のバクテリアの可能性が高いものです。そして写真中央付近に写る虫のような何か?これが重大です。

 

ペスタロチア

ペスタロチア

 

 1000倍まで拡大するとまるで虫のような姿がはっきりと確認できます。これはペスタロチアという葉枯れ症状を出す厄介な病原です。
 病原が分かりましたところで、使う薬剤や処置の方針を決めていきます。
 さ~て、この病原、どうしてくれましょうか・・・・

笹部雄作

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On 11月 17th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

龍門山の山歩き

 和歌山県紀の川市にあるJR粉河駅からすぐ南の方角に龍門山(りゅうもんざん)という山がある。標高はあまり高くないが(標高756m)その秀麗な山並みから紀州富士とも呼ばれ、「紀伊名所図会」にも出てくる和歌山の名山である。
 平成25年10月末のある日、五條市に出かけた帰り、この龍門山に登ってみた。
 車で、みかん畑の中を登山口まで行き、田代峠コースの入り口に車を止める。
 車から出て歩こうとすると、すぐそばに大きなイノシシが2頭いた。向こうもびっくりしたらしく、すぐやぶの中にかくれてしまった。
 雑木林の中をゆっくりと登る。シロダモの木が多くあり、ちょうど花の盛りで赤い実と一緒に花を見ることができた。

 

シロダモの花

シロダモの花

 

 ヤマコウバシの葉も紅葉が始まっていて、秋の訪れを感じさせてくれる。

 

ヤマコウバシ

ヤマコウバシ

 

 タムシバは来年の春を待ちかねているかのように、つぼみが膨らんでいた。
 カマツカは赤い実を一杯つけて山を華やかに彩っていた。

 

カマツカの実

カマツカの実

 

 コマユミの木も多くあり、どれも紅葉の見ごろを迎え、錦絵の様で、まさに秋本番である。

 

コマユミの紅葉

コマユミの紅葉

 

 ゆっくり登り、2時間で山頂に到着する。山頂からは紀ノ川と大阪の和泉山脈が見渡され、まさに絶景である。

 

山頂からの眺め

山頂からの眺め

 

 山頂の広場では、ヤマラッキョウ、ムラサキセンブリ、リンドウなどが咲いていて、秋の風情を感じる。

 

ヤマラッキョウ

ヤマラッキョウ

 

ムラサキセンブリ

ムラサキセンブリ

 

リンドウ

リンドウ

 

 山頂からは、西の中央コースをゆっくりと登山口まで下り、帰路についた。この山はふらっと出かけるには手頃な山で、樹種も豊富である。春にまた登ってみようと思った次第である。                    
                           真田 俊秀

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On 11月 14th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

台湾の樹木(第4回)

 台湾の樹木第4回は「福山植物園」です。
 「福山植物園」は、台湾北部の低山~中山帯の代表的な森林生態の保存を目的として1986年に設置された植物園です。面積は1,200haあり台湾最大の植物園で、標高600mから1,200mの範囲に広葉樹を中心とした自然林が広がっています。
 そして自然生態を保護し、その環境を維持していくため、1日の見学申請者を300人に制限し、見学できる区域もその一部、20haに限られています。
 園内の遊歩道を歩いていると「毘欄樹」がありました。
 「毘欄樹」は「車輪木」とも呼ばれ、日本では「ヤマグルマ」という名称になっています。1科1属1種で、被子植物でありながら仮道管をもたない原始の植物として知られています。

 

毘欄樹

毘欄樹


 次に「天台烏薬」という木がありました。
 「天台烏薬」はクスノキ科の常緑樹で、日本には江戸時代に伝わり、各地で野生化しています。根を乾燥させ、健胃・胃腸薬として利用していたので、薬草園などで見ることができます。

 

天台烏薬

天台烏薬

 

 かわいい花をつけているのは「水冬瓜」という木です。「水冬瓜」はキウイ科の常緑小高木で、日本では琉球諸島で見ることができます。
 果実は食用になり、根は煎じて腹痛や風邪の薬として服用されます。

 

水冬瓜

水冬瓜

 

 細長い光沢のある葉をつけた木は「赤皮」という樹木です。「赤皮」はブナ科の常緑高木で、日本では「イチイガシ」と呼ばれている樹木です。実はカシの仲間では例外的にアク抜きせずに食べられます。

 

赤皮

赤皮

 

 次の木も細長い光沢のある葉をつけています。名前は「長葉木薑子」といい日本では「バリバリノキ」と呼んでいます。クスノキ科の常緑高木で、枝や葉に油を多く含み、燃やすとバリバリと良く燃えます。

 

長葉木薑子

長葉木薑子

 

 福山植物園には、日本でもおなじみの木がたくさんありました。
                           真田 俊秀

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On 11月 12th, 2013, posted in: NPOおおさかの活動, 樹木医アラカルト by KO

研修会のご案内(会員向け)

日  時  平成25年12月8日(日) 13:00~16:00

会  場  奈良公園(春日山~若草山)

主  題  「照葉樹林とシカ ~変わりゆく春日山原始林~」
春日山遊歩道を歩いて春日山原始林(照葉樹林、外来種拡散、防鹿柵など)を観察します。

講  師  大阪産業大学大学院人間環境学研究科教授 前迫ゆり

参考図書  前迫ゆり編、「世界遺産春日山原始林 -照葉樹林とシカをめぐる生態と文化-」、ナカニシヤ出版、2013年

受 講 料  若草山入山料 大人150円(会場までの交通費は各自でご負担ください。)

集合場所  春日大社駐車場の北の三叉路(近鉄奈良駅から徒歩で約30分。別添の地図をご覧ください。)

C P D  樹木医CPDプログラム申請予定

そ の 他  運動靴など動きやすい服装でお越しください。
天候不良の場合は中止します。天候不良の場合は当日の午前9時以後に開催の有無をお問い合わせください。

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On 11月 12th, 2013, posted in: NPOおおさかの活動, 合同勉強会 by KO

台湾の樹木(第3回)

 台湾の植物第3回は台北植物園で見かけた植物の一部です。
台北植物園は、元は日本統治時代の1896年に台湾総督府が南方の植物を研究するために造った施設で、現在は林業試験場の管轄下にあります。約8ヘクタールもの広大な敷地に約1500種類もの植物が栽培されています。台北植物園へは、土壌改良の研修で行きましたので、樹木は通りすがりに少し見ただけなので、次回、台北に行く機会があれば、ゆっくり見たいところです。
 最初は、「春不老」という木です。「春不老」はヤブコウジ科の常緑小高木で、和名は「コウトウタチバナ」と言います。国際自然保護連合のレッドリストでは絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。

 

春不老の花

春不老の花

 

 実は濃い紺色に熟し、自生地では魚の香づけに利用されます。

 

春不老の実

春不老の実

 

 次は「喜樹」というめでたい名前のついた木です。「ヌマミズキ科」の常緑高木で日本では「カンレンボク」と呼ばれています。果実や根をはじめ植物全体にカンプトテシンという抗癌物質が含まれています。この木は大阪でも見ることができます。

 

喜樹

喜樹

 

 「黄果垂榕」はクワ科の常緑高木で、別名、シダレガジュマルとかベンジャミンゴムノキなどと呼ばれます。日本ではベンジャミンの名前で観葉植物として親しまれています。広い樹冠を形成し、自生地では15~20mの高さになります。

 

黄果垂榕

黄果垂榕

 

 土壌改良の研修の現場の近くにあったのが、「蠟陽樹」です。ノウゼンカズラ科に分類される樹木で、ソーセージノキの仲間です。花は釣鐘型でカエンボクに似ていますが、水平に咲き、受粉はコウモリにより行われます。ソーセージのような丸くて長い実がつき、いろいろな哺乳動物の餌になります。

 

蠟陽樹

蠟陽樹

 

蠟陽樹の花

蠟陽樹の花

 

 次は紅色の花が鮮やかな「印度火筒樹」です。ブドウ科の常緑低木で日本では「キダチブドウ」と呼ばれています。根からは抗癌物質が取れることから、近年注目されている木です。

 

印度火筒樹の花

印度火筒樹の花

 

 最後に「欄嶼肉豆蔲」の紹介です。この木はニクズク科の常緑高木で、和名はコウトウニクズクと言います。黄色い果実がなっていましたが、種子はナツメグ(肉豆蔲)、仮種皮をニクズク花(肉豆蔲衣)と呼び、ともに香辛料、薬用として利用されてきました。

 

欄嶼肉豆蔲

欄嶼肉豆蔲

 

 以上で台北植物園の樹木の紹介はおしまいです。
             真田 俊秀

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On 10月 24th, 2013, posted in: NPOおおさかの活動, 緑と樹木について by KO

強運の持ち主

 我がN造園の元親方である義父は、非常に運が強い。詳しく言うと、よく賞品が当たるのである。ただ、本人はそれを強く望んでいるわけではないのだが、とにかく「なんや知らんけどよく当たる」のである。
 義父はゴルフが趣味で、毎週のようにゴルフに出かけていく。その中でコンペといわれる大会も多数あり、よく出場している。ゴルフコンペは上位1~3位に豪華賞品が与えられるのだが、それだけではなく、きりのいい5位、10位や、ブービー賞など他の飛び賞も多数設定されていて、楽しみが多いそうだ。義父の腕前はなかなかのものらしいが、いつも上位に入賞できるというわけではない。しかし、必ずと言っていいほど賞が設定されている順位に入り、何か賞品をもらって帰ってくる。肉、米、バッグ・・・。結構豪華な賞品が多く、私もずいぶんいろんなものを分けてもらった。
 また、義父はグランドゴルフもやっている。グランドゴルフというのは主に高齢の方がよくやる競技で、ゴルフのパターの腕を競うようなものだそうだ。ゴルフをやっている義父にとっては簡単だそうで、ホールインワンの景品であるティッシュが家に山積みにされていた。
 先日、地獄のような暑さの中、義父に仕事を手伝ってもらっていた。3時になり休憩していると、お客さんが暑さを気遣って、おやつに「ガリガリ君」というアイスキャンディーを出して下さった。これはありがたい。火照った体を冷やすには、アイスが一番だ。おいしい、おいしいと、ソーダ味のガリガリ君を一気にたいらげた義父は、何やらアイスの棒を細い目で眺めていたかと思うと、おもむろにこう言った。
「なんか書いてあるで・・・。ア、タ、リ・・・。」
 さすがだ・・・。こんな場でも強運を発揮するのか・・・。
「ひゃっひゃっひゃっ。ワシ、何でもよう当たんねん。」
 義父は、当った賞品をなんでも他人に配ってしまう。いや、当ったものではなくても、他人にあげてしまう性格なのである。
「みんなに配ってたら、ワシの分が無くなってしもた・・・。」
 と、よく言っている。しかし、この無欲さが強運をもたらしているのではないかと思うことがある・・・。

(i)

 

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On 10月 18th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト by KO