世界文化遺産・奈良公園の巨樹・巨木をめぐる

NPOおおさか緑と樹木の診断協会では、NHK文化センター梅田教室から受託し、「樹木医とめぐる巨樹・巨木」という現地講座を毎月(原則第2金曜日)開催しています。

 平成25年11月の開催は、世界文化遺産・奈良公園周辺に点在する巨樹・巨木を訪ねました。
 案内は奈良県樹木医会にお願いし、天野樹木医、木南樹木医、清野樹木医、中嶋樹木医の4名が紅葉の始まった奈良公園を案内してくれました。
 受講者は12名、総勢18名での開催です。

 

 

 

 ムクノキの巨樹です。祠の近くの木は大事にされますね。熟した実は甘酸っぱくて食べられました。

 

 

 

 雷が落ちたのか、主幹が折れて、空洞になったところを詰められています。コンクリートで蓋をするのは良くないというのが定説になっていますが、空いたままだと鹿のねぐらになりそうです。

 

 

 

 奈良公園の名物になっているムクロジです。
 主幹の空洞部をモウソウチクが貫いています。奈良公園では鹿に食べられる中、竹もいい場所を見つけたものです。

 

 

 奈良公園の紅葉はナンキンハゼから始まります。
 外来種で、お口に合わないのか鹿はナンキンハゼを食べません。
 一説では、トウダイグサ科のナンキンハゼには毒もあるとか。

 

 

 

 

 1本に見えるクスノキの巨樹ですが、近くに植えられた3本が絡み合っています。植栽されてから105年の時間と空間の作品です。

 

 

 イロハモミジに着生するオオバヤドリギ

 

 

 ヤブツバキに着いたヒノキバヤドリギ

 

 

 万葉植物園にあったヤマナシです。
 落ちていた果実は酸っぱくて硬かったけど十分食べられるものでした。

 

 

 

 臥竜のイチイガシ

 

 

 アカマツの薬害と思われます。松の材線虫病予防のため、樹幹に打った薬の処方が悪かったようです。

 

 

 

 

 ケヤキです。空洞に歴史を感じます。

 

 

 常緑針葉樹であるナギの葉は寿命が7年もあるとか。

 

 

 

 

 春日大社境内のフジです。奈良公園では藤原氏との関係から昔からフジがあまり着られずに残っています。万葉植物園には多くの品種が集められていますし、春日山原始林の中でも大きく成長したフジを見ることができます。

 

 

 ご神木のスギですが、根本はかわいそうな状況です。倒れたりしないか心配です。

 

 

 

 

 クスノキの老巨樹です。雰囲気ありました。

 

 

 一休み、そういえば、休憩もなくよく歩きましたね。

 

 

 

 

 アカメヤナギです。水辺に自生していたと思われますが、石が積まれ、根本が埋められて、キノコも生えて来てしまいました。パイオニアプランツであるアカメヤナギは成長も早いですが、腐るのも早いので要注意です。

 

 

 

 奈良県庁の屋上緑化は一般開放されており、眺望を楽しむことが出来ます。
 紅葉が始まり、ナラ枯れとの区別もつきにくくなっていますが、奈良でもナラ枯れは深刻です。

 今回出会った主な植物は、オオバヤドリギ、ヒノキバヤドリギ、ムクノキ、イチイガシ、スギ、クスノキ、ムクロジ、モウソウチク、シダレザクラ、イロハモミジ、ヤブツバキ、ミツマタ、トチノキ、カリン、ヤマナシ、アリドオシ、ヤブコウジ、カラタチバナ、センリョウ、マンリョウ、ナギ、フジ、アカメヤナギなどでした。

 「樹木医とめぐる巨樹・巨木」はNPOおおさかに所属する樹木医を初め、近畿の各樹木医によって大切に守られている各地の巨樹・巨木をめぐります。詳細についてはNHK文化センター梅田教室(担当:尾藤)までお問い合わせください。

宮本 博行

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On 12月 20th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

ツワブキ

 キク科植物で古くから庭や公園に植えられていますが、本来は海岸近くの植物です。 波打ち際の岩の根もとや防風林のきわなどに自生しています。
 自生している地域は広く、太平洋側は福島県の海岸から以南、日本海側では石川県以南に分布しています。 沖縄の海岸にも見られます。
 庭に植えられるのは、日本造園様式が景石を配置されている場合が多いので、よく合うためだと言われています。 暗緑色できれいな光沢のある葉は、日本の石組みによく合います。 また、松林や広葉樹林の林縁でも元気に生育しています。
 10月から12月にかけて咲く黄色の花も人気があります。 花は比較的に大きく、直径4cmから6cmもあります。 最も大きく咲くものにオオツワブキと呼んで、九州の海岸に自生しているそうです。
 九州のオオツワブキは、葉柄を粕漬けにして土地の名産にしているようですが、私は佃煮にします。 我が家の団地には、沢山のツワブキが植えられていますが、これは取りません。 桜が咲いたときに枝を折り取るのと同じ窃盗に類する行為だと思います。
 ツワブキは、古くはツバ、ツワ、ツヤと呼ばれていたようですが、今でもこの名前で呼んでいる地方があるそうです。 出雲国風土記は奈良時代の初期、和銅6年(713)の詔勅によって書かれた地誌ですが、天平5年(733)に完成しました。 この地誌のなかにツワブキのことが古名で出ているそうです。
古名はツバ、ツワ、ツヤのどれなのかわかりません。
 ツワブキは、漢方薬店ではあまり売っていない薬草ですが、打撲、火傷、霜焼け、痔などに生の葉の汁を塗ると言われています。 一株でもよいので、庭に植えたいですネ。

 

ツワブキ1

ツワブキ1

 

ツワブキ2

ツワブキ2

 

澤田 清

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On 12月 18th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

◆◆ネバネバ・カチカチの台湾土壌(その1)

 平成25年9月にNPOおおさかで日台合同樹木研修会と称して台湾ツアーを実施しました。その際に台湾で見かけた樹木について、真田俊秀さんより4回に渡り「台湾の樹木」と題して詳しく報告頂いています。それならばと、私からは台湾の土壌特性について5回にわけて報告させて頂きます。綺麗な樹木写真と異なり土壌の場合は美しい写真で飾れません。少々野暮ったい報告になりますがお許し下さい。
 それでは第一回目として、台湾の首都である台北市の土壌の特性について述べます。

■もともと湿地帯だった台北の基盤
 台北市は周囲を山に囲まれた盆地です。現在の台北周辺は元々おおきな湖(台北湖)であったとされています。約3000年前から1800年前の間に、その湖はじょじょに水位を下げ現在の盆地が形成されたようです。湖は干上がったもののそこは広大な湿地帯です。台北101を始め超高層ビルが乱立する辺りは、つい数十年前まで湿地帯だったようです。これらは、台北市政府庁舎内にもうけられた台北探索館に詳しく展示紹介されていますので機会があれば覗いてみてください。
 このように湖から湿地帯になり、それが都市開発されたのが現在の台北市です。そのため、台北の土壌は湖底由来、湿地由来の土壌特性を示します。湖底など水中由来の土壌は長らく直接空気に触れる機会が無く還元状態にあります。土壌が還元状態におかれると土色は灰色や青みを帯びた土になります。台北市内で見かける土壌が灰色なのも湖底由来であったことを伺わせます。

■台北のネバネバ土壌
 湖底由来の土壌は粘土やシルトと言ったキメの細かい土粒子によって構成されます。西日本で一般に見られる花崗岩が風化して出来たマサ土のように砂礫状の土壌ではありません。関東平野に見られる黒ボクのような火山灰起源のふかふかとした土壌でもありません。水中由来の粘土やシルトは水を多く含み、雨が降ると泥状になります。台北市内の道路工事現場をみるとコンクリートが打設されている場所を多く見かけます。日本の場合は砕石を敷き込み、その上をアスファルトで仕上げ舗装すればよいわけですが、台北では水分を多く含んだ土が泥濘化し、舗装部に不陸が発生する恐れがあるから表面を鉄筋コンクリートで覆っています。
 このように細かい土粒子で構成され、水を含みやすい性質の土壌は、排水性が悪く、加湿状態に陥り、植物が根腐れを引き起こす原因になります。そのため、台北市内の植栽においては、排水対策と土壌の通気対策が重要な改良ポイントとなります。

 

コンクリートで舗装される道路工事現場。台北では土の泥濘化による不陸防止のため道路にコンクリートが打設される場合が多い。

コンクリートで舗装される道路工事現場。台北では土の泥濘化による不陸防止のため道路にコンクリートが打設される場合が多い。

 

歩道の植栽枡。 枯れた樹木を撤去した状況。歩道下もコンクリー トが打設されている。土壌は礫・ガラ交じり の固いシルト質土壌で滞水している。

歩道の植栽枡。 枯れた樹木を撤去した状況。歩道下もコンクリー トが打設されている。土壌は礫・ガラ交じり の固いシルト質土壌で滞水している。

 

■台北のカチカチ土壌
 水を含むと泥濘化する土壌ですが、強い転圧を受け乾燥すると、次はカチカチの植物の根が入ることの出来ない土壌になります。土壌の中に砂利や礫状の建築廃材などが混入されると、水・セメント・骨材(砂利)・砂で構成されるコンクリートと同じような構造になって、よりカチカチに固まってしまいます。
 昔は全ての工事は人力で行われました。しかし、現在は大型重機が現場内を走り回っています。建設現場においては大型重機によって極度に占め固められカチカチの土壌になってしまうわけです。そこに従来通りの方法で植え穴を掘り植栽してもうまく行くはずはありません。固い基盤に植栽用植え穴を掘り取ると、水は植栽枡に集中し、しかも基盤が固く透水性が悪いものですから水が溜まってしまいます。そして樹木は根腐れで枯死してしまいます。土壌固結は根の伸張を阻害するだけでなく、滞水による大きな影響をもたらします。
 日本でも1960年代頃の造成現場で同じような問題が生じました。造成のあり方が変化したならば、植栽手法も状況に合わせて変わらなければなりません。これからの台北における植栽基盤整備では、排水対策を講じ、土壌を軟らかくし、透水性を改善する対策は欠かせないと言えるでしょう。

 

ドリルを用いないと掘り取れない土壌 台北市内公園。試坑断面調査用の穴を掘り取ろうとしたが、礫やガラ交じりの土壌はカチカチでスコップだけでは掘り取れない。そこでドリルで土壌を砕きながらの作業となる。

ドリルを用いないと掘り取れない土壌 台北市内公園。試坑断面調査用の穴を掘り取ろうとしたが、礫やガラ交じりの土壌はカチカチでスコップだけでは掘り取れない。そこでドリルで土壌を砕きながらの作業となる。

 

台北市内の公園で見かけた台風による倒木。何本もの樹木が倒木している。小さな壷穴状の植栽枡を掘って植えられている。 排水性が悪く周辺土壌が固結化しているため水が植栽枡に集中している。

台北市内の公園で見かけた台風による倒木。何本もの樹木が倒木している。小さな壷穴状の植栽枡を掘って植えられている。 排水性が悪く周辺土壌が固結化しているため水が植栽枡に集中している。

 

次回は台湾の土壌調査を通じてわかった植栽基盤の問題点をお伝えします。

笠松滋久

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On 12月 15th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

木之本町の巨樹・巨木をめぐる

NPOおおさか緑と樹木の診断協会では、NHK文化センター梅田教室から受託し、「樹木医とめぐる巨樹・巨木」という現地講座を毎月(原則第2金曜日)開催しています。

 平成25年10月の開催は、滋賀県長浜市木之本の山裾に点在する巨樹・巨木(野神)を訪ねました。
 案内は滋賀県樹木医会にお願いし、地元木之本町在住の高橋樹木医、二宮樹木医に加え、北村樹木医、鹿田樹木医の4名が道中楽しいお話を聞かせてくれました。
 受講者は9名、総勢15名での開催となりました。

 

 

 

 JR北陸本線木之本駅に集合、コスモスが風にそよぐ中を歩き始めます。

 

 

 

 

 

 最初は、一宮のシラカシです。大きく二つに割れた幹とコフキタケが痛々しいですが、威風堂々とした姿は健在です。

 

 

 

 

 

 次に見たのは黒田のアカガシ(幹周6.9m)。わかりにくい場所にありますが、地元の樹木医の案内で確実にたどり着きました。

 

 

 ここで、記念写真

 

 

ヤマカガシです。毒もあるので要注意。

 

 

 

 

 

 

 木之本伊香高校前にある野上の森です。ケヤキ(幹周約8m)を初めとする巨木が迎えてくれました。

 

 

 

 

 田部の野上エノキ(幹周約7m)です。全体に葉が小さく、スス病がでており、元気がありません。根の切断や盛り土されたと思われます。

 

 

 

 轡の森のイヌザクラ(幹周約5m)です。説明聞きそびれました。

 

 

 今回のお土産は木之本名物「丁稚羊羹」と「サラダパン」。なぜかハマる味です

 今回出会った主な植物は、アケビ、キリンソウ、カナムグラ、オオナモミ、ツルヨシ、ホオノキ、キササゲなどでした。

 「樹木医とめぐる巨樹・巨木」はNPOおおさかに所属する樹木医を初め、近畿の各樹木医によって大切に守られている各地の巨樹・巨木をめぐります。詳細についてはNHK文化センター梅田教室(担当:尾藤)までお問い合わせください。
 

宮本 博行

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ある樹木の枯死

 JR茨木駅西側にある春日丘高校の前の通りはユリノキの並木道になっている。
 なかなか立派なユリノキの並木であるが、まだ一度も花が咲いているのを見たことがない。これは、毎年、夏が過ぎるとバッサリと強選定をするせいだと私は思っている。

 ところで、このユリノキの並木に混じって1本だけ別の木が植えられている。
 知る人ぞ知るジャカランダという木である。ジャカランダは中南米原産のノウゼンカズラ科に属する樹木で、見かけはアカシアやネムノキに似ている。羽状複葉の歯は涼しげで、初夏には薄い青紫色の花を咲かせる。ユリノキが花を付けない代りに、このジャカランダは毎年、花をつけ、通行人の目を楽しませてくれていた。

 

初夏のジャカランダ

初夏のジャカランダ

 

ジャカランダの花

ジャカランダの花

 

 晩秋に茶色に紅葉した葉は、冬から春にかけてなかなか葉を落とさず、まるで枯れ木のようで、独特の風景を醸し出していた。

 

3月のジャカランダ

3月のジャカランダ

 

 今年の6月に何気なくジャカランダを見ると、バッサリと枝が切られ、葉はわずかに少しだけ残されていただけだった。無理に剪定したらしく、残された幹も大きく樹皮がはがされていた。
 この切り方ではジャカランダは、枯れてしまうのではないかと私は危惧していたが、やはり夏を過ぎても新しい枝は出ず、残っていてわずかの枝も枯れてしまった。

 

剪定後のジャカランダ

剪定後のジャカランダ

 

わずかに残された葉

わずかに残された葉

 

 そして、秋には伐採されてしまい、今はその面影さえなくなってしまった。

 

伐採されたジャカランダの跡

伐採されたジャカランダの跡

 

 今まで、初夏の花を見るのを楽しみにしていたが、これで楽しみもなくなった。まったくあっけないものである。それにしても・・・・・・・・

                         真田 俊秀

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On 12月 5th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

龍もなぎ倒し、王命さえ奪う台風

 今年ほど台風が数多く発生し、甚大な被害をもたらしたことは前例にないだろう。伊豆大島の山を崩壊させた10月16日の台風26号、11月8日、フィリッピンでの風速90米を越える強風で数千人の尊い命と甚大な爪痕を残した台風30号。地球温暖化による気候環境変化による影響は確実に大きくなっている。

 さて、昨年 お隣韓国で台風の強風により樹齢600年の老樹が倒されたことを知る人は少ないだろう。
 韓国 忠清北道 槐山(クェサン)郡三松里にあったアカマツ 天然記念物第290号 (高さ13.5m、胸高周囲4.91m、樹冠幅東西方向14.92m、南北方向19.9m)は、その威風から王松と呼ばれ、また幹が捻じれる様がまさに龍が空に舞い上がる姿に見え「龍松」とも呼ばれ地域の人に尊ばれ親しまれていた。

 

 

 この王松が昨年8月28日、台風15号の韓国本土直撃により、韓国の中央山間部に位置する槐山地域にも強風を伴って通過した。平素は台風の影響も予想もしない地域が強い風に吹かれ、この龍松も強風に弄ばれ根元から折れ倒れた。倒れた消息を聞いた韓国文化財庁と槐山郡は樹木医など専門家により救命措置を施したが1年間の薬石の功なく、この11月6日枯死したと発表した。

 

 

 倒れた要因は根株の腐朽が酷く、巨体を支持する根も少なかったところに地上部が強風で弄ばれたためと考えられる。倒木後の10月末に李承齋ソウル樹木病院院長に案内され「お見舞い」に行くが既に瀕死の状態であった。

 

(2012年10月26日、倒木した王松は根株を覆土、幹は緑化テープで養生されていた)

(2012年10月26日、倒木した王松は根株を覆土、幹は緑化テープで養生されていた)

 

 台風の襲来がなければ、1000年と言わずともあと100年くらいは優雅な龍の舞を楽しめたのではないかと、合掌し槐山 三松里を後にした。災害を回避するため私たちは何を成すべきかを考えさせられた、この1年だった。
日韓樹木文化・老巨樹研究協会 浅川

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On 11月 24th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

『病原の世界』

 植物の葉を見ておりますと病気の兆候を示す『病斑』がたくさんあります。

 

病斑1

病斑1

 

病斑2

病斑2

 

 樹木の治療にあたる際、被害をもたらしている病原がいったい何であるかとういうのは実に重要ですので、この病原を追及するために顕微鏡診です。

 

顕微鏡

顕微鏡

 

 プレパラートを覗きこみますと

 

病斑の状況

病斑の状況

 

と、このように、葉っぱの組織と複数の病原らしき何か?が入り乱れて見えます。これで主原因が明らかなら上々なのですが、なかなかそうはいかないものです。

そこで、病原の存在する組織を切り取り、寒天培地で培養します。

 

培地

培地

 

 この際、コンタミを起こさないよう、シャーレを茹で上げ、培地の溶液を殺菌し、シャーレに移してさらに殺菌を行いと、行程の開始から終了まで、殺菌につぐ殺菌の連続で、70%のアルコール水溶液は友達のような存在です。

 殺菌が完了しましたら、病原を持つ組織をシャーレに移して、数日培養します。
培養が終わると・・・・

 

培養後

培養後

 

このように、切り取った葉の周囲に白色の変化が出ました。この白色の変化は、実はあまり歓迎できない変化でして、サンプルの取り方が悪い場合、このような変化になることが多く、ちょっとドキリとします・・・。
う~むむ・・・とうなりつつ、これを顕微鏡にかけますと

 

400倍

400倍

 

 400倍の世界にて微生物の大行進が確認できました。今回は動きがあまりに激しかったので暗視野で確認しますと

 

暗視野

暗視野

 

 やや黄色いのがバクテリアです。今回は非常に大きなバクテリアが確認できましたが、これはサンプル採集後に取りついた腐生性のバクテリアの可能性が高いものです。そして写真中央付近に写る虫のような何か?これが重大です。

 

ペスタロチア

ペスタロチア

 

 1000倍まで拡大するとまるで虫のような姿がはっきりと確認できます。これはペスタロチアという葉枯れ症状を出す厄介な病原です。
 病原が分かりましたところで、使う薬剤や処置の方針を決めていきます。
 さ~て、この病原、どうしてくれましょうか・・・・

笹部雄作

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On 11月 17th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

龍門山の山歩き

 和歌山県紀の川市にあるJR粉河駅からすぐ南の方角に龍門山(りゅうもんざん)という山がある。標高はあまり高くないが(標高756m)その秀麗な山並みから紀州富士とも呼ばれ、「紀伊名所図会」にも出てくる和歌山の名山である。
 平成25年10月末のある日、五條市に出かけた帰り、この龍門山に登ってみた。
 車で、みかん畑の中を登山口まで行き、田代峠コースの入り口に車を止める。
 車から出て歩こうとすると、すぐそばに大きなイノシシが2頭いた。向こうもびっくりしたらしく、すぐやぶの中にかくれてしまった。
 雑木林の中をゆっくりと登る。シロダモの木が多くあり、ちょうど花の盛りで赤い実と一緒に花を見ることができた。

 

シロダモの花

シロダモの花

 

 ヤマコウバシの葉も紅葉が始まっていて、秋の訪れを感じさせてくれる。

 

ヤマコウバシ

ヤマコウバシ

 

 タムシバは来年の春を待ちかねているかのように、つぼみが膨らんでいた。
 カマツカは赤い実を一杯つけて山を華やかに彩っていた。

 

カマツカの実

カマツカの実

 

 コマユミの木も多くあり、どれも紅葉の見ごろを迎え、錦絵の様で、まさに秋本番である。

 

コマユミの紅葉

コマユミの紅葉

 

 ゆっくり登り、2時間で山頂に到着する。山頂からは紀ノ川と大阪の和泉山脈が見渡され、まさに絶景である。

 

山頂からの眺め

山頂からの眺め

 

 山頂の広場では、ヤマラッキョウ、ムラサキセンブリ、リンドウなどが咲いていて、秋の風情を感じる。

 

ヤマラッキョウ

ヤマラッキョウ

 

ムラサキセンブリ

ムラサキセンブリ

 

リンドウ

リンドウ

 

 山頂からは、西の中央コースをゆっくりと登山口まで下り、帰路についた。この山はふらっと出かけるには手頃な山で、樹種も豊富である。春にまた登ってみようと思った次第である。                    
                           真田 俊秀

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On 11月 14th, 2013, posted in: 樹木医アラカルト, 緑と樹木について by KO

台湾の樹木(第4回)

 台湾の樹木第4回は「福山植物園」です。
 「福山植物園」は、台湾北部の低山~中山帯の代表的な森林生態の保存を目的として1986年に設置された植物園です。面積は1,200haあり台湾最大の植物園で、標高600mから1,200mの範囲に広葉樹を中心とした自然林が広がっています。
 そして自然生態を保護し、その環境を維持していくため、1日の見学申請者を300人に制限し、見学できる区域もその一部、20haに限られています。
 園内の遊歩道を歩いていると「毘欄樹」がありました。
 「毘欄樹」は「車輪木」とも呼ばれ、日本では「ヤマグルマ」という名称になっています。1科1属1種で、被子植物でありながら仮道管をもたない原始の植物として知られています。

 

毘欄樹

毘欄樹


 次に「天台烏薬」という木がありました。
 「天台烏薬」はクスノキ科の常緑樹で、日本には江戸時代に伝わり、各地で野生化しています。根を乾燥させ、健胃・胃腸薬として利用していたので、薬草園などで見ることができます。

 

天台烏薬

天台烏薬

 

 かわいい花をつけているのは「水冬瓜」という木です。「水冬瓜」はキウイ科の常緑小高木で、日本では琉球諸島で見ることができます。
 果実は食用になり、根は煎じて腹痛や風邪の薬として服用されます。

 

水冬瓜

水冬瓜

 

 細長い光沢のある葉をつけた木は「赤皮」という樹木です。「赤皮」はブナ科の常緑高木で、日本では「イチイガシ」と呼ばれている樹木です。実はカシの仲間では例外的にアク抜きせずに食べられます。

 

赤皮

赤皮

 

 次の木も細長い光沢のある葉をつけています。名前は「長葉木薑子」といい日本では「バリバリノキ」と呼んでいます。クスノキ科の常緑高木で、枝や葉に油を多く含み、燃やすとバリバリと良く燃えます。

 

長葉木薑子

長葉木薑子

 

 福山植物園には、日本でもおなじみの木がたくさんありました。
                           真田 俊秀

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On 11月 12th, 2013, posted in: NPOおおさかの活動, 樹木医アラカルト by KO

研修会のご案内(会員向け)

日  時  平成25年12月8日(日) 13:00~16:00

会  場  奈良公園(春日山~若草山)

主  題  「照葉樹林とシカ ~変わりゆく春日山原始林~」
春日山遊歩道を歩いて春日山原始林(照葉樹林、外来種拡散、防鹿柵など)を観察します。

講  師  大阪産業大学大学院人間環境学研究科教授 前迫ゆり

参考図書  前迫ゆり編、「世界遺産春日山原始林 -照葉樹林とシカをめぐる生態と文化-」、ナカニシヤ出版、2013年

受 講 料  若草山入山料 大人150円(会場までの交通費は各自でご負担ください。)

集合場所  春日大社駐車場の北の三叉路(近鉄奈良駅から徒歩で約30分。別添の地図をご覧ください。)

C P D  樹木医CPDプログラム申請予定

そ の 他  運動靴など動きやすい服装でお越しください。
天候不良の場合は中止します。天候不良の場合は当日の午前9時以後に開催の有無をお問い合わせください。

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On 11月 12th, 2013, posted in: NPOおおさかの活動, 合同勉強会 by KO