15 02, 2011

大阪城公園の梅林

2011-02-15T22:25:34+09:00

大阪城天守閣の東側、内濠と外濠に囲まれた三角状の地形に梅林があります。 明治6年(1873)4月23日、大阪府は、政府の政策に基づき東区難波御堂内に「欧学校」を開校させました。 小学校の上級、中学校です。 その後、学制の変更や校名・組織の変更がありましたが、この欧学校が現在の大阪府立北野高等学校の鼻祖です。 昭和48年(1973)年10月6日に創立100周年記念式典が開かれ、翌10月7日に六稜同窓会記念総会が開催されました。 席上、同窓会会長から大阪市長に、大阪城公園内に梅林を造成する費用として、金2000万円の目録が贈呈されました。 その10年後、写真家の登野城弘氏と元近畿大学教授の鈴木登氏共著の「大阪城の梅花 登野城弘写真集(東邦出版)」が2003年3月に発行され、その冒頭に当時の東部方面公園事務所長が記述しています。 総面積は、約1.7haで93種、約1250本の梅の木が育っている。 六稜同窓会から22品種、880本の寄附を受け、昭和49年3月に梅林を開園した。 当時は、0.5haだったが昭和61年に現在の面積に拡張し、その時、33品種、1055本に成長した。 その後、移植や補植を繰り返して現在のようになった。現在は、約100品種 約1270本が植栽されています。 ところで、この写真集には86品種の写真が載っており、奈良在住の鈴木登樹木医が大変面白い解説をしています。 鈴木さんッて、こんなに面白い人だったッけ? 澤田清  

大阪城公園の梅林2011-02-15T22:25:34+09:00
14 02, 2011

熊野速玉神社の「なぎ」(その1)

2011-02-14T22:41:05+09:00

熊野速玉神社の「なぎ」(その1)  なぎは、マキ科の常緑高木で、針葉樹でありながら広葉樹みたいな葉をしています。名前から凪に通じるとして、船乗りに信仰されていているほか、葉の葉脈が強く横方向に切れにくいことや、ナギラフトンという科学物質を分泌して他の植物の生育を抑制することから、夫婦和合、縁結びに御利益があるとかで、この葉をお守り袋や鏡の裏に入れていた慣習があったそうです。  このなぎの木で日本で一番大きな木は和歌山県の新宮市の熊野速玉神社にあるそうで、国の天然記念物にもなっています。                今回、このなぎを見るため、熊野速玉神社へ行ってきました。  新宮へは奈良県の近鉄八木駅からバスが出ていますが、所要時間は6時間30分もかかります。今回はマイカーで国道168号線をひたすら南下しました。 途中、十津川村の山中で見たナナカマドとイイギリの赤い実が印象的でした。 温泉もあちこちにあります。十津川村では湯泉地温泉の滝の湯という日帰り温泉に入りました。温泉の駐車場ではヤマガラがヒマワリの種を食べておりました。 十津川村をぬけて和歌山県田辺市に入ると川湯温泉混浴露天風呂と書いた看板がありました。ここは川の中から温泉が湧いているそうで、早速入ってみましたが、ポカポカと非常に気持ちのいい温泉でした。お風呂には、おばあさんばかりで若い女の子は全然いませんでした。少しがっかり。マガモの親子も温泉に入っていました。 真田 俊秀

熊野速玉神社の「なぎ」(その1)2011-02-14T22:41:05+09:00
13 02, 2011

シラカシの土壌改良(木材腐朽菌モデル対策現地検討会)

2011-02-13T23:08:48+09:00

 平成23年2月13日 午前9時からシラカシの土壌改良を行ってきました。  以前にもご報告させていただいた続きの処置です。先週の5日には地上部の枯れ枝の剪定などを おこないましたが、本日は地下部の土壌改良を実施しました。              今回の詳しい内容については、3月1日に現地にて開催します。  募集については後ほどお知らせしますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。                                   (KO)

シラカシの土壌改良(木材腐朽菌モデル対策現地検討会)2011-02-13T23:08:48+09:00
21 01, 2011

台湾のクスノキ巨木治療痕から

2011-01-21T23:19:33+09:00

   現在(1月20日)台湾に来ています。1月16日早朝、氷が張る寒い大阪を震えながら出発し、暖かい台湾に向かいました。  ところが台北の空港から表に出れば大阪と変わらない気温。今年の台湾は寒い日が非常に多いとの話です。薄着しか持ってきておらず、早々に防寒用作業ジャンバーを購入する羽目になってしまいました。  今回の台湾出張は、宜蘭縣と台中縣を主体に回りました。宜蘭の街から山を見ると雪化粧しているではありませんか。宜蘭では二日間土壌調査を実施し、それから台中に向かいました。台中では20度をこえる気温になり購入したジャンバーが邪魔になる始末です。九州とほぼ一緒の面積という狭い国ながら、山の上では温帯、北部の平地は亜熱帯、南部の平地は熱帯と変化に富んだ気候帯を持ち合わせる国です。  台中縣では豊原市というところで、「澤民樹」と命名された樹齢1000年を超えると言われる大きなクスノキを見てきました。2本のクスノキが根元部で癒合し、数匹の大蛇がうねったような独特な樹形をしています。葉が少し矮小化し、葉数もちょっと少なく衰退傾向が見受けられる状況ですが、老巨木としては元気なほうで立派なクスノキです。  そのクスノキに奇妙な治療がされていました。腐朽開口部と見られるところにお椀を伏せたような形にウレタンが盛られ、赤茶色に塗装だけなされています。空洞部に詰め物をするのが良いのかどうかの議論もありますが、それ以前にこの形状で詰め物をするのはダメだろうと樹木医さんなら誰でも分るような治療方法です。  集まっていた地域の人に聞きましたところ(もちろん通訳を介して)、以前ここを訪ねた日本の樹木医さんからやり方を聞いて、樹木医さんの立会いなしに地元のボランティアで処置を施したようです。      これは我々も気をつけなくてはと思わされた次第です。良かれと思っての指導であったとしても、場合によっては悪影響につながる可能性があることを考えさせられました。  私は明日(21日)大阪に帰ります。入れ違いに大槻樹木医が台湾旅行と聞いています。どうか気候変化に備えてお越し下さい。 笠松滋久

台湾のクスノキ巨木治療痕から2011-01-21T23:19:33+09:00
18 01, 2011

葉が落ちないのに「落羽松」とはこれ如何に!

2011-01-18T22:46:40+09:00

     見出しの問いかけに「緑色なのに「赤樫」と言うが如し」と答えたいところですが、アカガシは材が赤いのでこの名が付いたのですね。  さて本題。厳冬1月のある日、鶴見緑地の「生き生き地球館」の裏側の生態園に青々と茂った針葉樹を見つけました。近寄って見ると、葉の様子はまさしくラクウショウです。これは「メキシコ落羽松」とプレートにあります。  鶴見緑地のメインエントランスにメタセコイアと共に並んでいるラクウショウ(別名ヌマスギ)はもうとっくに茶色の葉を散らしています。そこで表題のような問いかけになったのです。よく似た樹形と葉を持つ2種類のラクウショウですが、生理的には違うようです。それで少し調べてみました。  ウェブサイトの「ボタニックガーデン」によれば、「ラクウショウは、スギ科 ヌマスギ属、学名はTaxodium distichumで、北アメリカの東部からメキシコ湾岸、それにミシシッピー川流域に分布。流れのある湿地帯や川岸の湿ったところに生え、高さは20メートルほどになり、地中または水中から呼吸根を出す。雌雄異株。花期は春。」と要約できます。  別のサイトの情報では、「アメリカ大陸の東南部からメキシコに分布する落葉の高木」と説明されているものがいくつかあります。      一方、メキシコラクウショウは、スギ科ヌマスギ属の常緑高木または半常緑高木で、学名は「Taxodium mucronatum」。同じ「ボタニックガーデン」の記述をまとめると、「アメリカの中南部、テキサス州南部のリオグランデ渓谷からメキシコ、グアテマラに分布。河岸や湿地などに生え、高さは15~30メートルになる。秋に落葉しないのが特徴。メキシコの国の木に指定されている」とのことです。  どちらも同じような地域の原産? どうちがうの? 常緑と落葉の違いだけ?  そこで、いまや古典の書物ですが、上原敬二氏の「樹木大図説」を取り出し、その説明を要約すると、「メキシコラクウショウは、半常緑喬木、雌雄同株、2年目に短枝とともに落葉するもの、3年目に落ちるものとがある。花はラクウショウと異なり秋に咲く。メキシコ南部の温帯地方、海抜1400から2300メートルに生じる。高さ50メートル。直径6メートルに達する。昔はラクウショウとともに同じ地方に生育していたものが、気候の変化から、アメリカ南部とメキシコに別れ別々の生育地を占めるようになったが、地方的変異であっても本種のほうが祖先の形態を持つとされている。世界の巨木の1つに数えられるものが確認されている。」とあります。  これから判断すると、両種は樹形、葉の形などはきわめてよく似ているが、ラクウショウは落葉で春に花が咲く。メキシコラクウショウは常緑又は半落葉で花期は秋、という大きな違いがあります。分布も、ラクウショウはアメリカ合衆国南東部、メキシコラクウショウはメキシコなど。付け加えると、ラクウショウの大きな特徴である呼吸根(膝)が、メキシコラクウショウでは出来ないのか目立たないようです。さらに付け加えると、メキシコラクウショウは非常な大木になるということです。  ウィキペディアによると、世界一太い木として、「メキシコはオアハカ州サンタ・マリア・デル・トゥーレに所在するメキシコラクウショウの一個体。2005年時点での計測によると幹周36.2m、直径11.6m、樹高約35m。」とあります。      私は、三十数年、「公園」をやってきて、ラクウショウもメタセコイアも植えましたが、メキシコラクウショウは初対面でした。まだまだ知らない事がたくさんあるようです。勉強不足を反省しました。                                            (大槻 憲章)

葉が落ちないのに「落羽松」とはこれ如何に!2011-01-18T22:46:40+09:00
8 01, 2011

コナラの独り言

2011-01-08T21:49:18+09:00

     わたしはコナラです。  身体はとても大きいのだけれどあまり知られていません。  サイズですかぁ?     高さは約18㍍、周囲は304㌢、そして自慢できるのが  葉張りです。四方に約28㍍拡がっています。  先月のこと、バイクに乗ったお兄さんが測ってくれました。  数年前に枝の散髪をしてくれたお兄さんだと思います。  「来年の6月までにカシナガ対策をしなければ…」とその  お兄さんは言っていたように思います。  なにか怖い病気が私を狙っているようです。  私は「みのり橋」という橋の近くに住んでいます。  一度みなさん私に会いにきてくださいませんか。  -----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------    先日、当NPOへコナラさんから投稿がありました。  私たちでこのコナラさんに何か対策を取れることはないでしょうか?  目立たないですが、その枝ぶりは稀有の存在だそうです。    会員のみなさまご検討を!  mube

コナラの独り言2011-01-08T21:49:18+09:00
31 12, 2010

『野間のケヤキ』のしめ縄作りで新年を!平成22年12月30日 

2010-12-31T12:59:07+09:00

   私は毎年、1000年以上も生きてきたと伝えられる『野間のケヤキ』のしめ縄づくりに参加しています。一年の反省と新年に向けて健やかなることをこめて・・。       地元の皆さんと毎年来られる10名ほどの応援の方々と皆が和気あいあいで半日を過ごします。年一回お会いする方々も“やあ・・”と笑顔で挨拶。じかに触れあえるこの古木もなにか笑顔で一緒になってしめ縄をこしらえている錯覚になる事もあります。 先ずは、しめ縄のもとになる藁のしごきと選別、この作業は応援隊が活躍                          さあ!しめ縄づくり・・これはなかなか難しい、藁の渡し手とのタイミングが微妙。作業がしやすいように適度の高さに引っ張るのは力仕事でいつもの私の担当、でも今回はいつもご夫婦で参加されるM先生にバトンタッチ。  でも最近、この古木が少しでも若く見えるようにと鳥たちが華やかな飾りを付け始めました。まだ、元気で頑張るぞ!という気概も感じるのですが少し厚化粧になっては身も蓋もありませんので取ってあげようとNさんが中心となって新年早々スッキリとさせてくれそうです。       締めは皆さんでの打ち上げです。                          野間のこの木の精霊に、きたる年も素晴らしく奥深い木々の生命に出会い、多くの事を知りえる喜びを味わいたいと願いを込めて・・。 樹木医の皆さん・・来年もよろしくお願いいたします。 Masa

『野間のケヤキ』のしめ縄作りで新年を!平成22年12月30日 2010-12-31T12:59:07+09:00
31 12, 2010

果樹のせん定真っ最中

2010-12-31T11:57:25+09:00

大阪府内で栽培されている果樹の種類をご存じですか? 一番面積の多いのがみかん、二番目がぶどう、三番目がくりです。それ以外にもいちじく、かき、もも、うめなどが栽培されています。ぶどうはハウス栽培も多く行われています。 さて、果樹の栽培管理で大事なものにせん定があります。露地で栽培される果樹は今がせん定の最盛期、せん定ですっきりさせて正月を迎えたいという農家もたくさんおられますよ。 「庭に植えられているうめ」のせん定と「果樹として栽培されているうめ」のせん定ではその方法がかなり違います。ここでは果樹としてのうめのせん定の手順を簡単にご紹介しましょう。図を参考にしてください。       (1)徒長枝を間引きます(元から切ります) (2)主枝の配置を決め、主枝の先端を切り返します(先端から1/3付近の位置で切ります)。 (3)亜主枝の配置を決め、亜主枝の先端を切り返します。 (4)予備枝を設定します。  斜めに発生した発育枝の先端を軽く切り返し、結果枝の予備枝とします。このような枝を亜主枝単位で数本残します。 (5)短果枝を整理します。  上向き、下向きの短果枝を除去し、大きくなった短果枝を切り返します。 (6)結果枝を整理します。  原則として結果枝は切り返しません。多すぎる場合は間引きます。前年に発生した長い結果枝が下垂している場合は、水平部分で切り返します。  詳しい説明を一切省いていますので、わかりにくかったと思いますが、せん定前とせん定後の図とうめの樹を見比べながらじっくり考えてみてください。  doki

果樹のせん定真っ最中2010-12-31T11:57:25+09:00
23 12, 2010

黒柿

2010-12-23T00:26:30+09:00

    「黒柿って食べたことあります?」 黒柿とはクロガキと読み、一般には木材の名前として知られています。 柿材は淡い橙褐色ですが、稀にタンニン(柿渋成分)が沈積し黒変して、縞模様や濃淡ができることがあります。このような材を黒柿(クロガキ)と言い、昔から珍重されています。 木目は綿密で重硬、主に高級和家具や茶器・建築装飾材の材料として使用されます。 私が食べたのはもちろん木材ではありません。京菓子に「黒柿」というのがありますが、それでもありません。本来の鮮やかな柿色とは似ても似つかない「黒い柿の実」です。 先日、中国地方の山あいのある道の駅で、チョコレートのような「濃いこげ茶色」の果実が売られているのを見つけました。プラスチックのトレイに入れられ、ラップされていましたが、先の尖った涙滴型をしていて、蔕(へた)が付いています。まさしく貼ってあったラベルのとおり「柿」の形をしています。このようなこげ茶色というか黒い柿は見たことがありませんでした。 何という柿か、はたまたこの地方の特産なのか知りたくて、お店の人に訊ねてみました。すると、「今日初めて持ってきた人があったので、名前も分からないんです。売りに出すのに心配だったから、一つ剥いて食べてみました。」との返事。そして皮を剥いて切ったものを持ってきてくれました。試食させていただくと甘くて確かに柿の味がします。私は興味だけで買って帰りました。 我が家に帰って、切って見て分かりましたが、本来は渋柿のようです。種が出来て、ゴマと呼ばれる黒い点が入っています。 食べてみると甘いのですが、皮の近くなど渋い所もあります。家内は運悪く渋い部分を食べたので、「甘いところもあるよ」と勧めましたが、後は一切口にしませんでした。 食べても、何という柿か、名前が分かりません。ひょっとしたら本来はオレンジ色の柿で、渋を抜くために何らかの加工をしたので黒く変色したものではないかとも思いました。 分からない時は柿の専門家に訊ねてみるのが一番です。 岐阜県まで宅急便で送って調べてもらった結果、返事は「黒柿ですね、私も実をはじめて見ました」とのこと。やはり珍しいものだったようです。「種を植えたら黒柿が出来ますかね」と訊ねてみましたが、「接木でないとダメでしょう」ということだったので、食して記憶にとどめるだけにしましたが、地方の道の駅は珍しいものの宝庫で、探索するとワクワクします。                                                                                                (大槻 憲章)

黒柿2010-12-23T00:26:30+09:00
12 12, 2010

シラカシの診断(木材腐朽菌モデル対策現地検討会)

2010-12-12T23:51:13+09:00

 平成22年12月11日(土)午前10時30分から河内長野市のとある公園にてシラカシの研修を兼ねた、診断をNPOおおさかと日本樹木医会大阪府支部との合同で実施してきました。  当日は、東京にある日本緑化センターからもこの診断に同行されました。大阪・京都・奈良の樹木医総勢27名もの参加がありました。  内容は、外観診断に始まり、地下部では根系調査(根の状態を調べます。どのあたりから根が出ているかを見ることで木の活力等の判断材料とします。)、透水試験(どの程度の水はけがあるのかを穴を掘って水を注ぎ、その減少量で調べます。)、土壌硬度(地面に計測用の棒を打ち込んでいきます。同じ重さの錘を落として1回に沈んでいく距離で土壌の硬さを立体的に調べます。)、地上部では高所作業車を利用した枝部分の腐朽状態の確認(目視等で確認します。)、レジストグラフ(キリをドリルで樹木に打ち込んでその抵抗値で枝や幹の中の腐り具合を調査します。キリの太さは非常に細く樹木への影響は少ないです。)、ガンマ線(いわゆるレントゲン写真のようなものです。樹木を傷つけることはありませんが、設置に一苦労です。)を利用した枝・幹部の腐朽調査などが行われました。  しかも、お昼にはNさん特性の手作りカレーにナン、さらには差し入れのデザートまで付いて診断共に大満足の有意義な一日となりました。  今後とも、NPOおおさからしい、あったかい雰囲気でお願いします。                                                (KO)                  

シラカシの診断(木材腐朽菌モデル対策現地検討会)2010-12-12T23:51:13+09:00
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