国指定天然記念物『妙国寺のソテツ』再生事業

妙国寺南側

妙国寺南側

 永禄5年(1562年)日蓮宗の学僧日珖が開いたとされる「妙國寺」 の境内には、樹齢約1,100年といわれる『妙国寺のソテツ』 があります。その昔、大ソテツは織田信長の所望で安土城に移植されましたが、毎夜「堺に帰りたい」と泣いたので、信長は激怒して「切り倒してしまえ」と命じました。ソテツは切り口から鮮血を流し大蛇のごとく悶絶し、恐れをなした信長は再び妙國寺に返したという伝説の樹で、国指定の天然記念物です。現在、大小100以上の幹枝を数える大木で、堂々と堺のまちを見守っています。

仮設パイプ設置

仮設パイプ設置

 ところが、近年樹勢に衰えが目立ち始め、その樹形の美観をさらに悪化することが懸念される状況になりました。そこで、『 妙国寺のソテツ再生事業』が実施されることとなり、我々「NPOおおさか緑と樹木の診断協会」 が事業に携わっております。

改良土敷設

改良土敷設

 事業は4ヵ年の計画で、平成20年度に『診断調査業務』 を行い、その調査結果と治療計画を受け、平成21年度から『保護増殖処置等業務』 として、継続調査と保護増殖処置を進め、現在施工中であります。

 今年度までに、大々的な土壌改良や、石組みの移設、地下排水施設の設置などを実施しましたが、昨年はわずかしか出芽が無かったにもかかわらず、今年はかなりの数の出芽が見られるなど、すでに樹勢の回復の兆しが見られています。

地下排水施設設置

地下排水施設設置

 しかし一方では、もともと南方に生息していたソテツの天敵として知られる「クロマダラソテツシジミ」が、ここ数年の間に大阪でも発生が見られるようになり、ソテツへの被害が心配されていましたが、平成20年には、ついに妙國寺でも発生を確認しました。その天敵からソテツを守るために、被害防止作業、発生調査なども継続して行っており、「妙国寺のソテツ」 の更なる樹勢回復を目指して、取り組んでおります。