豪雨からの脱出(その4) 大雨が降ればホテルがもうかる

 平成26年8月1日早朝に大阪を出発し、その晩は松山で宿泊。2日は松山で法事をすませ、夜に高知市内に移動。久しぶりに親孝行をと思い高知市内の旧土佐藩主山内家の敷地に建つ高級ホテルに予約を要れました。母親と叔母と女房を皿鉢料理と地酒で接待です。台湾から帰国してすぐに過酷なこの接待とは、我ながら良く頑張っているなと自画自賛です。
 皿鉢料理に舌鼓をうっていると、大雨で高知道通行止めのニュースがテレビから流れてきました。先ほど走ってきた高速道路です。まあ、いずれにせよ高速道路が通行止めになる直前に、無事高知のホテルにたどり着いたのだからラッキーだったと、皿鉢料理と美味しい地酒で満足していました。

 翌8月3日、朝からニュースは高知市内の川の氾濫を報じています。高知市内で床上、床下浸水、幹線道路が冠水、私が泊まっているホテルのすぐ近くを流れる鏡川も氾濫危険水位を超えた。そして高知市全域に避難勧告が出ています。「えらいこっちゃ!」
 後で知ったことですが、高知市では当日372ミリの降雨を記録し、1886年の観測以来最多の大雨だったようです。8月1日から3日までの間に降った雨は1000mmを超えています。大変なときに高知市内に入ったものです。

 


  大雨で何もすることがない。ひょっとしたら百貨店なら空いているかもと近くの大丸に出かけましたが、避難勧告が出ているためやはり閉店です。

 高知市内に通じる高速道路と国道はすべて通行止めです。陸の孤島となってしまい身動きが取れません。いつ、通行止めが解除になるかとホテルで待機していましたが、一向に天候の回復は見込めません。避難勧告が出ている訳ですから、これからどうするかについての判断もしなくてはなりません。年老いた母親と叔母が一緒ですから無茶なこともできません。そこで、早々にホテルの延泊を決めました。高級ホテルです。延泊はきついな、もったいないな、と思いつつも仕方がありません。でもこの判断は正解でした。
 まもなくすると部屋で延泊できない宿泊客が多く出てきました。部屋が空いておらず大広間で雑魚寝です。年老いた母親らに雑魚寝をさせずに済みました。当日は日曜日です。多くの観光客が帰宅する日ですが、帰れずにすべての人が宿泊する羽目になってしまったので部屋が足りなくなった訳です。

 この日も高級ホテルで皿鉢料理です。ところが漁に出られず仕入れもできないため、昨日の料理に比べてえらく貧弱な海鮮料理です。マグロやサーモンと言った冷凍物が並んでいます。カツオのたたきは少しだし、揚げ物が多くなっています。前日と金額は同じです。ひょっとしてこの台風で一番もうかったのはホテルかも?
 故事に「風が吹けば桶屋がもうかる」とあるが、「大雨がふればホテルがもうかる」の方が現代では分かりやすい。

笠松 滋久

On 9月 16th, 2014, posted in: 樹木医アラカルト by KO
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