台湾の樹木第4回は「福山植物園」です。
 「福山植物園」は、台湾北部の低山~中山帯の代表的な森林生態の保存を目的として1986年に設置された植物園です。面積は1,200haあり台湾最大の植物園で、標高600mから1,200mの範囲に広葉樹を中心とした自然林が広がっています。
 そして自然生態を保護し、その環境を維持していくため、1日の見学申請者を300人に制限し、見学できる区域もその一部、20haに限られています。
 園内の遊歩道を歩いていると「毘欄樹」がありました。
 「毘欄樹」は「車輪木」とも呼ばれ、日本では「ヤマグルマ」という名称になっています。1科1属1種で、被子植物でありながら仮道管をもたない原始の植物として知られています。

 

毘欄樹

毘欄樹


 次に「天台烏薬」という木がありました。
 「天台烏薬」はクスノキ科の常緑樹で、日本には江戸時代に伝わり、各地で野生化しています。根を乾燥させ、健胃・胃腸薬として利用していたので、薬草園などで見ることができます。

 

天台烏薬

天台烏薬

 

 かわいい花をつけているのは「水冬瓜」という木です。「水冬瓜」はキウイ科の常緑小高木で、日本では琉球諸島で見ることができます。
 果実は食用になり、根は煎じて腹痛や風邪の薬として服用されます。

 

水冬瓜

水冬瓜

 

 細長い光沢のある葉をつけた木は「赤皮」という樹木です。「赤皮」はブナ科の常緑高木で、日本では「イチイガシ」と呼ばれている樹木です。実はカシの仲間では例外的にアク抜きせずに食べられます。

 

赤皮

赤皮

 

 次の木も細長い光沢のある葉をつけています。名前は「長葉木薑子」といい日本では「バリバリノキ」と呼んでいます。クスノキ科の常緑高木で、枝や葉に油を多く含み、燃やすとバリバリと良く燃えます。

 

長葉木薑子

長葉木薑子

 

 福山植物園には、日本でもおなじみの木がたくさんありました。
                           真田 俊秀