上空から見たナラ枯れの様子(高槻市梶山)H21年8月

上空から見たナラ枯れの様子(高槻市梶山)H21年8月

ナラ枯れは、マツ枯れとともに現在、日本の森林の2大伝染病となっています。近年、近隣の京都府等でナラ枯れの被害発生と拡大が問題となっていますが、大阪府でもH21夏に高槻市において初めて被害が確認され、今年は島本町や吹田市、枚方市、交野市などに被害が拡大しています。また全国では26府県で被害が確認されています。
 このナラ枯れとは、大きさ5㍉程度のカシノナガキクイムシ(以下、カシナガ)が、産卵のため木に1~2㍉の穴をあけ入り込む際、持ち込む糸状菌(カビ)が原因で木の内部で水を通す管が目詰まりを起こし枯死する現象です。
ナラ枯れにより紅葉した山(高槻市芥川)H22年9月

ナラ枯れにより紅葉した山(高槻市芥川)H22年9月

詳しく述べると穿孔を受けた樹木は、カビの拡大を防御するために抗菌物質を生成し、辺材部も茶色く心材化しますが、心材は通水性がないので、四方八方から大量に攻撃(マスアタック)を受けると、辺材部が一気に心材化し、樹幹の通水性がなくなり、そのため一気に枯死することになるわけです。 
カシナガの被害対象樹種はブナを除くブナ科に属する樹種がほとんどで、被害を受けやすい順は、ミズナラ>コナラ>クヌギの順で、常緑樹ではコジイやマテバシイが被害を受けやすいようです。
そして現在、大阪府でカシナガによる被害が出ているのは、ほとんどが大径木のコナラです。