NPOおおさか緑と樹木の診断協会では、NHK文化センター梅田教室から受託し、「樹木医とめぐる巨樹・巨木」という現地講座を毎月(原則第2金曜日)開催しています。

 9月に訪れたのは古代から歴史の舞台として有名な信貴山です。案内は信貴山隣山、高安山の2合目ともいうべきところに在住し、子どものころから信貴山に慣れ親しんだ當内匡(とううちただし)樹木医です。
 残暑まだ厳しい中、大和平野の素晴らしい眺望を楽しみながら、自然と歴史をたっぷり散策しました。
 受講者は13名、総勢16名での開催となりました。

 

 

 

 近鉄大阪線から信貴山線に乗り換え、西信貴ケーブルに乗車します。運転席にはオニヤンマが既に乗車していました。信貴山の自然への期待が膨らみます。
 かわいい寅の描かれたケーブルカーで高安山駅に集合です。

 

 

 

 高安山駅では、2合目から登ってきた當内樹木医が出迎えてくれました。

 

 

 高安山~信貴山の古道と朝護孫子寺の巨樹・巨木めぐりへの出発です。
 自然のヤブランは美しい。

 

 

 最初に出会ったのはヤマザクラの巨樹です。樹齢約200年といったところでしょうか。

 

 

 

 高安城(たかやすのき)跡、高安城倉庫跡などの史跡を見た後、テングス病にやられた桜を観察。

 

 

 マツノザイセンチュウによって枯れて放置されたアカマツが倒れています。

 

 

 こちらのアカマツは朽ちてもなお立ち続けています。

 

 

 杉木立の中に残されたヤマザクラの巨樹です。

 

 

 大地にしっかり根を張る姿は樹木の力強さを感じます。

 

 

 このシイノキも立派でした。

 

 

 赤い鳥居がいっぱい並ぶ空鉢護法堂が総本山信貴山の頂上部にあたります。大和平野を一望するこの場所はモミジも多く、紅葉も美しいそうです。

 

 

 大本山玉蔵院さんのお部屋をお借りしてのランチタイム。
 三鈷松(さんこのまつ)を主木となった前庭は當内樹木医が手掛けたものです。

 

 

 

 朝護孫子寺本堂からは信貴山の豊かな緑を眺望できました。
 近くには行けませんでしたが、飛び出して見えているのはモミノキでしょうか。

 

 

 

 

 神木のカヤノキです。カヤの実は仏事に使用されているようで、ほとんど収穫されていました。数粒採取し、持ち帰って電子レンジでチン。良質の油が採れるとあって多少渋みはあるものの香ばしくて美味ですよ。

 

 

 

 

 千手のイチョウです。珍しいものらしいのです。銀杏は少々小ぶりでしたが、味は普通でした。

 

 

 聖徳太子さまが初めて毘沙門さまを拝まれ、お利益をいただかれたのが、寅の年、寅の月、寅の日であったと言い伝えられ、信貴山にたくさんの寅がいます。大小様々の張り子の寅や石像、西方守護神白虎像など。中でもお土産に買った寅せんべいと寅まんじゅうは家族に好評でした。
 我々はバスで奈良県側のJR王子駅から帰ります。當内樹木医は笑顔でバスを見送ってくれました。彼は来た道をまたケーブルにも乗らず八尾の自宅へ帰るそうです。じぇじぇじぇ!

 

 

 

 

 今回出会った主な樹木は、リョウブ、ヤマザクラ、ソメイヨシノ、アカマツ、アカガシ、コナラ、イロハモミジ、シイノキ、カヤノキ、イチョウ、ウメ、シラカシ、エゴノキなどでした。

「樹木医とめぐる巨樹・巨木」はNPOおおさかに所属する樹木医を初め、近畿の各樹木医によって大切に守られている各地の巨樹・巨木をめぐります。詳細についてはNHK文化センター梅田教室(担当:尾藤)までお問い合わせください。